研究課題/領域番号 |
10480249
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
辻岡 克彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30163801)
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研究分担者 |
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
越智 和典 川崎医科大学, 医学部, 助手 (50069077)
岩城 完三 林原生物科学研究所, 藤崎研究所, 副主事
望月 精一 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (60259596)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
1999年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1998年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
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キーワード | 動脈硬化 / 血管内皮細胞 / NO / eNOS / 細胞接着分子 / 単球 / 細胞動態 / 局所血流 / 内皮細胞 / 細胞接着因子 / NO合成酵素 |
研究概要 |
動脈硬化病変の発生について、脂質代謝、受容体の分子生物学、病理学的検討等が行われて成果を上げているが、動脈硬化の特徴の一つは、それが血管の湾曲部位や分岐部に局在化することであり、この点については、局所血流の関与に興味が持たれているだけで、その機構について不明のことが多い。本研究では、動脈硬化の局在化機構を血管内皮細胞の構造と機能さらには内皮細胞と単球の相互作用の観点から解析することを目的とした。そのために、動脈硬化病変好発部位と非好発部位の血管内皮細胞の機能を比較検討するとともに、単球の内皮細胞に与える影響を解析した。一酸化窒素(Nitric Oxide:NO)は、血小板凝集の抑制や細胞増殖阻害により、動脈硬化病変の発生阻止に役立つと考えられる。内皮由来のNO合成酵素(eNOS)の発現を蛍光抗体法で、NO合成量を蛍光色素DAF2で画像化すると、動脈硬化好発部位で、eNOSの発現、NO合成量ともに、非好発部位に比べて、量が少なく且つ細胞間の不均一性が大きかった。この逆に、細胞間接着因子の発現は動脈硬化好発部位で多かった。一方、内皮細胞と単球の相互作用を、電気インピーダンス細胞動態解析装置で調べると、単球の付着により、内皮細胞は基質への接着が緩和することが分かった。以上により、動脈硬化病変好発部位では、eNOSの発現減少によりNO産制量が減少し、動脈硬化病変が発生し易くなるとともに、細胞接着因子の発現増大により単球が接着し易くなること、内皮細胞に接着した単球からの情報伝達により内皮細胞下に単球が侵入し易い内皮細胞の変化が発生することが明らかとなった。これらの内皮細胞の変化が動脈硬化局在化へ初期課程を形成するものと考えられる。
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