研究課題/領域番号 |
10490006
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
武井 秀夫 千葉大学, 文学部, 教授 (50226982)
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研究分担者 |
清水 安子 千葉大学, 看護学部, 助手 (50252705)
鈴木 紀 千葉大学, 文学部, 助教授 (40282438)
野口 美和子 千葉大学, 看護学部, 教授 (10070682)
正木 治恵 千葉大学, 看護学部, 助教授 (90190339)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 医療文化 / 看護婦 / サブカルチャー / 日常世界 / 創造性 / 看護教育 / 看護実践 / 日常性 / 医療人類学 / 病院の差別化 / 患者-医療者関係 / 医療者間関係 |
研究概要 |
西日本を中心に5つの病院、一つの看護教育施設においてアンケート、面接調査、参与観察、生活日誌調査などの方法を用いて調査を行った。その結果以下のようなことが明らかになった。 (1)看護婦の日常の生活領域は、夜勤、輪番等の特殊な勤務形態により強く限定されている。1990年代以降のわが国の地域医療システムの改変は、医療経営への圧迫を通して、この勤務形態の特殊性をさらに強化する方向で影響を与えていると考えられる。さらに、ライフサイクル上の女性役割を受け入れた場合には、その限定がもう一段強化され、その結果看護婦の人生経験の深化は結婚、出産、子育て等、主としてライフサイクル上の地位の変化に連動するようになっていくといえる。 (2)看護婦としての日常業務の在り様が、労働主体としての看護婦の意識を規定してきたことの一端が明らかになったと考えられる。従来、「医師がする以外のすべての仕事が看護婦の仕事」とされていた状況には変化が起こりつつあるものの、看護婦の日常実践は、いまだに医師の医療行為に対する介助や補助的業務中心に構成されがちである。そうした「ルーチンをこなす」日常の中で、看護婦の主体的成長は大きく阻害されてきたと考えられる。 (3)看護婦の主体的成長の抑圧の端緒は専門学校等の看護教育の中にすでに存在し、特に病院実習が大きな影響力を持つこと、また、「看護職」というカテゴリー的括りが、いわば内と外の境界示標として強く作用することにより一つの閉鎖的社会が構成されやすいと考えられる。 (4)閉鎖性や、ルーチン指向性は看護教育の段階から浸透が始まっている可能性が強く、今後の高度で人間的な医療の展開に欠かせない柔軟な思考力をもった看護職者の養成を促進するためには、今後、様々な看護教育の比較研究だけでなく、看護教育と医学教育や他のコメディカル教育との比較研究を推進していく必要があると考えられる。
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