研究課題/領域番号 |
10490009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
堀内 弘之 弘前大学, 教育学部, 教授 (80029892)
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研究分担者 |
宍戸 統悦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50125580)
鎌田 耕太郎 弘前大学, 教育学部, 教授 (20233926)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
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キーワード | ペロブスカイト構造 / 複酸化物固溶体 / 硼化物ペロブスカイト / 結晶構造 / 構造相転移 / X線回折 / 熱分析 / 希土類元素 / 希土類オルソアルミネート / X線回析 / イオン半径 / 相関係 / ペロブスカイト / 複酸化物 / 金属間化合物 / 不定比性 |
研究概要 |
ペロブスカイトABX_3相の物質探索と組成、結晶構造の評価を行った。複酸化物では組成と温度に伴う構造変化の追跡、硼化物では、組成の不定比性とペロブスカイト相としての安定領域、安定条件に加え構造と硬度の関係をも考察した。複酸化物の合成は固相反応法、硼化物はフラックスおよびアークメルト法による。構造評価は主として粉末X線回折法を用いたが、構造変化解析の鍵となる相ついては放射光源による高分解能粉末X線回折、高温X線回折法をも採用した。本研究期間の成果は次のとおり要約される。 1.複酸化物:希土類3価イオンとAl^<3+>、アルカリ土類2価イオンと4価の希土類イオンおよびZr^<4+>とを主な組み合わせとし、それらの端成分、固溶体の合成と構造変化を追跡した。この結果、BaCeO_3、BaPrO_3は従来の報告の通り斜方晶、BaZrO_3は立方晶である。BaTbO_3はこれまでの三方晶(菱面体格子)という報告に対し本研究では斜方晶であると結論した。さらにイオン混合による固溶体Ba(Pr_<1-x>,Zr_x)O_3、Ba(Tb_<1-x>,Zr_x)O_3では、室温において、xの0〜1の変化に伴い斜方晶・三方晶・立方晶の構造変化を示すこと、斜方晶BaPrO_3は温度上昇により三方晶へ変化することを明らかにした。これらの結果は、(Sm_<1-x>,Nd_x)AlO_3における斜方晶・三方晶の構造変化と対比できる。このようにA、Bイオンの適切な組み合わせにより、斜方、菱面体、立方の異なる構造の選択、格子変形の制御を可能とした。 2.硼化物:RB_<1-x>X_3(R:希土類元素、X:貴金属元素)のような硼素の不定比性とペロブスカイト型相の安定範囲、硬度、耐酸化性など物性との関係を視野にいれ、ここでは合成を主体として研究を実施した。今後詳細な組成変化と結晶構造上の綿密な研究とリンクさせることにより硼化物ペロブスカイト新物質の探索、構造、物性の研究に発展することが期待できる。 3.今後の展望:本研究で行った複酸化物および硼化物ペロブスカイトにおけるイオン置換、不定比性に伴う結晶構造の研究成果を踏まえ、さらに広範囲にわたるペロブスカイト相探索と構造研究により、これら物質群の組成と構造に関する総合的かつ系統的な基礎情報の提供と新たな物性発現が期待される物質探索への指針に寄与する。
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