配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
研究概要 |
実際の意思決定のプロセスに関して,規範モデルと記述モデルの相互補完的関係についていくつかの研究を行った.集団の意思決定における数理的な意思決定ルールとより単純な多数決ルールとの効率の比較などを行っている.また、公共的決定において,一般の人々の本音を聞くことは特に大事であるが,そのための方法論として言語を介した主観確率の測定方法を検討した. 実際の日常的意思決定においても,ある意味で,合理性を求めているという観点から,その合理性の根拠と,実際の意思決定においても,合理性に向かって向上する学習性があるかどうかを検討した.一つは,有名なWasonの4枚カード問題を題材にとり,典型的な被験者の反応パタンが,事前確率が小さい場合,また、ルール自体が蓋然的にしか成立していない場合に,数理的に正当化されることを示した.このことが,被験者の実際の反応においても,規範モデルが予測するように,すなわち,情報量の多い順にデータを取得しようとするかどうかも調べたが,この点に関しては,データからはまだ明確な傾向性は見出していない.また,別の研究として,"秘書問題"と呼ばれる系列的な意思決定問題において,被験者は,課題を解くごとに,規範モデルが指示する合理解に近づくことが実験的に確かめられた.ただし,各"秘書"の効用が,0-1的な構造をもっている場合と,線形的に適性の順位に比例している場合との弁別はできなかった.そのほか,Damasioのギャンブル課題において,合理解に近づく際に,皮膚コンダクタンス反応によって、感情を測定し,自分の行動に対する感情的反応と合理的な解との間の関係を調べた.
|