研究課題/領域番号 |
10551006
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
伊藤 美奈子 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 助教授 (20278310)
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研究分担者 |
楡木 満生 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (20172736)
無藤 隆 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (40111562)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | メンタル・フレンド / 不登校 / 学校と家庭の橋渡し / 実践的研究 / メンタルフレンド / 効果測定 / スーパーヴィジョン / サポートシステム / 調査と実践 / 不登校対策 / 学校臨床 |
研究概要 |
本研究の目的は、不登校児童・生徒への新たな方法として"メンタル・フレンド(以下MF)制度"(MFとは、ボランティアの学生との関わりを通して、不登校の子どもたちの閉ざされた心の通路を開こうとする試み)に注目し、全国のMF活動について調査し、さらに実践的な観点からMF制度の開発・実践・評価を行うことにある。 予備調査として行った聞き取り調査、ならびに2回にわたる全国調査は以下のような概要である。対象は、MF制度を実施している全国各地の児童相談所(以下「児相」)と、そこで実際に活動しているMFである。調査の結果、不登校中学生を中心とした児童に対し、さまざまな形での取り組みが行われていることが明らかにされた。またMFを支える制度として、児相担当者によるフォロー体制やスーパーヴィジョン制度も整備されつつあることが確認された。MF制度への期待としては、児童の人間関係の広がり、活動性の高まりを挙げる回答が多く、多くの児相でその期待にほぼ沿った活動が展開されていることが示された。しかし、その一方で、MF制度が抱える問題や改善すべき課題についてもいくつかの示唆が得られた。ただし、本調査では、児相職員との連携は注目したが、児相・学校・家庭という三者間の連携については十分に考察されていない。MF活動が地域を基盤とした不登校児童への対策であるためには、学校との連携も重要なポイントになると考えられる。学校・家庭・地域間のより有機的な連携を図るためにの方策を検討することも、今後に残された課題であると考える。 さらに、実際のメンタルフレンドを併用した学校臨床活動実践を通して、学校と家庭を結ぶ新しい不登校対策事業としての意味も考察した。最終報告書では、東京地区と大阪地区の実践報告と事例報告より、MFが学校教師ともカウンセラーとも異なる「子どもにより近い存在」として臨床的に果たす意義は大きいことも確認された。
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