研究課題/領域番号 |
10554004
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 国立天文台 (1999-2000) 東京大学 (1998) |
研究代表者 |
関本 裕太郎 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (70262152)
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研究分担者 |
小泉 達雄 住友重機械工業, 主席技師
稲谷 順司 宇宙開発事業団, 研究員
山本 智 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80182624)
野口 卓 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (90237826)
立松 健一 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (40202171)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1998年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | サブミリ波受信機 / 小型GM冷凍機 / 超伝導技術 / サブミリ波天文学 / 地球環境計測 / 分子分光学 / 超伝導 / 地球環境 / 分子分光 |
研究概要 |
本研究は小型冷凍機の開発をおこない、高地でのサブミリ波天文学を容易におこなうための可搬型超伝導サブミリ波受信機を開発した。開発された可搬型受信機は、受信機本体の重量が30kg、圧縮機が30kgと、富士山頂や南米チリのアタカマ砂漠へも容易に運搬可能である。本受信機は、熱設計・光学設計を工夫したことにより、800GHzでの受信機雑音が700Kと、大型の受信機と同等の性能を有する。富士山頂サブミリ波望遠鏡(口径1.2m)に搭載した、小型サブミリ波受信機をもちいて中性炭素原子線での広域観測をおこなった。その結果、宇宙線の加速がおこなわれていると予想される超新星残骸と分子雲の相互作用の様子を明らかにした。可搬型超伝導サブミリ波受信機の基本要素となる小型低消費電力のGM(Gifford-MacMahon)2段式4K冷凍機の開発をおこなった。消費電力1kWに対して4Kの冷凍能力を0.1Wと目標を達成することができた。本冷凍機の性能を最大限引き出すために、真空冷却ジュワーは熱流入を抑え、40K輻射シールド以外にあらたに250Kシールドを考案した。その結果、南米チリの標高4800mサイトにおいて、SISミキサーを搭載した状態で、4Kステージの温度3Kが達成されている。本受信機は、周波数に依存しない低温光学系を設計し、超伝導ミキサーを選択することにより300-900GHzのサブミリ波が受信可能となる。また、ミラーや偏波グリッドを減らす工夫により、サブミリ波の損失の少なくしている。本研究は、日米欧で進めている次期大型計画のALMA(Atacama Large Millimeter Submillimeter Array)の受信機に基本設計に重要な示唆を与えるものである。また、可搬型超伝導サブミリ波受信機は、地球環境計測や分子分光学に応用が可能となり、将来の衛星計画への第一歩をふみだした。
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