研究分担者 |
西山 哲 (株)ジオジャイロ, 技術研究所, 技師長
佐野 修 山口大学, 工学部, 教授 (20127765)
安藤 雅孝 京都大学, 防災研究所, 教授 (80027292)
木山 保 (株)三井建設, 技術研究所, 主任研究員
塚田 和彦 Kyoto Univ., Dpt.of Engineering, Associate Prof. (10179971)
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研究概要 |
本研究では,岩盤の微小な応力変化に敏感であるさまざまなパラメーターを連続的にモニターして,さまざまなパラメーター間の関係を比較しながら,岩盤の応力がインターサイスミックな期間にどのように変化するかしらべることを目的としている,研究の経緯と結果をまとめると,以下のようになる. 1.この研究ではまず,岐阜県の茂住断層サイトにおいては,断層近傍岩盤の超高精度ΔVp,地殻ひずみ,位相検波方式による比抵抗の測定をたちあげた.茂住サイトでは通気によるわずかな岩盤の温度変化に比抵抗が敏感であることがわかったので,電極をボーリング孔内に移設して,温度変化による影響の軽減をはかった.さらにΔVpの測定結果は,断層近傍の岩盤の応力がわずかずつではあるが増加していることをしめしている. 2.神奈川県油壷サイトでも同様の測定に着手した.ΔVpと比抵抗の変化は,岩盤が海洋潮汐によって載荷されることに起因するのがあきらかになった.降雨の影響をさけるため,さらに電極間隔が10mの測線を設置して現在も観測をつづけている. 3.兵庫県の野島断層サイトの注水実験に際して,高圧水の注水にともなう比抵抗の変化を検出するための測定をおこなった.このサイトでは,測定スパンをひろくしなければならないため,ダイポール・ダイポール法を採用した.その際,電流を流す系とポテンシャルを測定する系をGPSで同期させるというあたらしい手法を開発した.水の注水期間中の観測によって,パルス状の比抵抗変化が観察された.この変化は予想とことなり,減少ではなく増加しており,注水を終えるとともに即座にもとの値にもどった.このことは,比抵抗変化が水の圧力球の体積の増加をとらえているのではなく,岩盤の応力変化をとらえていることをしめしている.
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