研究課題/領域番号 |
10554029
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宇田川 康夫 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (00004458)
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研究分担者 |
宗川 繁 理学電機X線研究所, 主任研究員
渡辺 昇 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (90312660)
林 久史 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (60250833)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
1999年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1998年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | X線非弾性散乱 / 水 / 反射率 / 吸光係数 / 電子相関 / 真空紫外スペクトル |
研究概要 |
吸収係数、反射率などの光学特性は物質の最も基本的な性質のひとつであるばかりでなく、誘電率、ファンデアワールスカとも関係つけられ、また荷電粒子やX線との相互作用を記述する重要なデータである。しかし、実験上の困難から、真空紫外-軟X線領域のデータは少なく、特に気体についての実験は皆無といってよい。本研究では直接の吸収スペクトルの測定に代わり、X線の非弾性散乱を利用して可視-紫外から真空紫外、軟X線に至る広いエネルギー領域のスペクトルを同一条件で測定する新しい分光法を確立することを目的とした。 本補助金により、湾曲分光結晶その他の部品を購入して分光器を製作し、それをフォトンファクトリー、あるいは米国ブルックヘブン国立研究所などの放射光施設に持ち込んで測定を行い、所期の目的を達成することができた。すなわち、最も基本的な物質である水について0〜200eVでの非弾性散乱スペクトルを得、反射率、吸光係数を導出することに成功した。これは放射線化学の基礎データとなるものであり、放射線化学会から依頼され、その機関誌に総説を執筆中である。 また、非弾性散乱スペクトルの運動量移行(q)依存性からはX線の静的構造因子S(q)を導出でき、それは電子相関と深く関連している。そこで電子相関に関して従来の理論の正確さを検証したばかりでなく、新しい理論(カプルドクラスター法)による計算法を開発し、電子相関をよりよく取り入れることができた。
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