研究課題/領域番号 |
10554042
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
物質変換
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
早川 芳宏 名大, 人間情報学研究科, 教授 (50022702)
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研究分担者 |
内多 潔 東亜合成(株), つくば研究所, 副主幹
村田 静昭 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助教授 (50157781)
佐野 充 名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (90144097)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1999年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | DNA合成法 / ホスホロアミダイト法 / トリフルオロメタンスルホン酸イミダゾリウム / アンチセンス核酸 / DNAオリゴマー |
研究概要 |
本年度は有機リン酸化合物のうち最も重要なものの一つであるDNAにターゲットを絞り、その経済的・実用的大量合成法の開発を行った。具体的には、DNA合成に最も有効であるとされるホスホロアミダイト法の改良を目標に、アミダイト法が経済的大量合成法という観点から抱える種々の問題点のうち最も大きな問題点である、(1)高い合成収率を得るために、高価である原料のヌクレオシドホスホロアミダイトと、高価で、爆発性が危惧され、生物的毒性が懸念されるテトラゾール系アミダイト活性化剤をヌクレオシドに対して過剰量使用しなければならない、(2)ヌクレオシド塩基部アミノ基への副反応を防ぐために、面倒で、経済的デメリットが大きいアミノ基の保護が不可欠である、の2点について改善策を検討した。その結果、(1)については新規ホスホロアミダイト活性化剤であるトリフルオロメタンスルホン酸イミダゾリウムあるいはべンズイミダゾリウムを開発することにより解決した。これらの活性化剤は安価で、安全性が高いだけでなく、反応性がきわめて高いため、ヌクレオシドホスホロアミダイト原料、活性化剤共に化学量論量の使用で高収率合成が達成された。また(2)についてはトリフルオロメタンスルホン酸イミダゾリウムを促進剤に用いる合成では核酸塩基部アミノ基にまったく副反応が起こらないことを見出し、問題を解決することができた。これらの成果の結集として、塩基部無保護ホスホロアミダイト法によるDNAオリゴマーの高効率合成法を発表したところ、究極の合成法として国内外で大きな反響を得た。予備実験ではこれらの改善は一般のアルコールやアミノアルコールにも適用できる事が分かっており、今後、本法をアンチセンス核酸を含む生体関連有機リン酸関連化合物や有機リン酸系農薬などの経済的・実用的合成法として完成させたい。
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