配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1998年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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研究概要 |
本研究では,光波長フィルタの温度無依存化と同時にフィルタ中心波長の高精度トリミング技術の開発を目指している.一昨年度に,光路長が周囲温度によって変化しないアサーマル光導波路を用いた温度無依存狭帯域波長フィルタを実現し,さらに積層交叉型Add/Drop波長フィルタにおいて紫外線照射よるフィルタの中心波長トリミング技術も実証できた.そこで最終年度にあたる本年度は,報告者らが開発したもう1つのAdd/Drop波長フィルタであるマイクロリング共振器フィルタの多波長化と共振波長間隔の高精度制御を目指した. この積層マイクロリング共振器フィルタは,リング半径を数十μmまで超小型化することによって共振波長間隔(FSR)を20nm程度にまで拡大し,さらにバスライン導波路の網目状配置による高密度集積化を可能にした狭帯域Add/Drop波長フィルタである.しかしながら,リング半径を少しづつ変えて多チャンネル化した1x8多波長フィルタにおいて,フォトマスクの製作精度の限界(50nm)からチャネル間隔が5.7nmに制限されていた.そこで上部クラッドに紫外線によって屈折率が大幅に変化するポリシランを用いて,紫外線照射による中心波長トリミング技術を用いて,多波長フィルタの波長間隔を0.5nmまで微細化することに成功した.また,トリミングの方向を変えて波長間隔を0.9nmおよび1.0nmに広げるなど,自在な調整が可能であることを示した. さらに,このマイクロリング共振器フィルタの時間領域での応答が不明であったため,超短パルス伝送実験を行って50Gbit/s程度の高速伝送に使用可能であることを示し,また時間領域での応答が周波数領域でのフィルタ特性から予測できることを理論的に示した.
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