研究課題/領域番号 |
10555021
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高木 堅志郎 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013218)
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研究分担者 |
山本 健 日本学術振興会, 特別研究員
坂本 直人 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10282592)
酒井 啓司 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00215584)
大野 正弘 (株)オリンパス光学, 研究員
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
1999年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1998年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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キーワード | 位相共役波 / 超音波 / 超音波映像系 / 画像補正 / 非線形 / 超音波診断装置 / 位相共役 / 波面補正 / 無歪み映像系 / 自動標的 |
研究概要 |
位相共役波の現象は、光学の分野では非常に多くの研究がなされている。その時間反転性と波面歪みの自動補正性から、いろいろな応用が期待されるからである。一方、超音波のいそう共役波については、世界的に見てもまだ数グループしか本格的な研究を行っていない。しかし応用という意味において、位相共役超音波は非常に大きな可能性を持っている。特に医療への応用(超音波診断やガン治療、結石破砕など)は、身近な医療施設に広く普及するものであり、その社会的意義は極めて重要である。我々はこれまでに不思議な波動現象という物理的興味のみから、超音波の位相共役波を研究してきた。そして圧電セラミクスの非線形応答を利用した新しい位相共役波の発生法を確立し、その時間反転性を可視化し、また映像系における波面歪みの自動補正性機能を確認した。 本研究では、さらに2つの研究目標を設定した。まず、波面の自動補正性を利用した無歪み超音波映像法を確立する。さらに、時間反転性を利用した収束超音波の自動標的系を試作する。この2年間の研究で 1)位相共役鏡としてPZTセラミクスを用いて実際に走査型映像系を作製した。位相共役反射波と普通の反射波の両方で超音波映像をとり、前者が歪みを自動補正していることを示した。 2)実用的な自動標的系を作るためには反射効率が極めて高い位相共役増幅器が必要となる。この目的のため反射鏡の効率を上昇させ、エネルギー効率100%のPZT高効率反射鏡の製作に成功した。 3)自動標的系を近い未来に実用化するため、新しい圧電材料である、レラクサー強誘電体単結晶(PZNT)に着目し、その非線形圧電定数を測定した。その結果非線形性が非常に高く、共役鏡の材料として有望であることを証明した。 以上の成果は、超音波位相共役波が非破壊検査、診断、治療などの分野で有効な実用機器に応用できることを実証したものである。
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