研究課題/領域番号 |
10555027
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
|
研究機関 | 東京大学 (1999-2000) 長岡技術科学大学 (1998) |
研究代表者 |
岡崎 正和 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (00134974)
|
研究分担者 |
筧 幸次 東京都立大学, 工学部, 助教授 (70185726)
坂根 政男 立命館大学, 理工学部, 教授 (20111130)
北村 隆行 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20169882)
山崎 泰広 新潟工科大学, 工学部, 助手 (70291755)
多田 直哉 岡山大学, 工学部, 助教授 (70243053)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
|
キーワード | 産業用ガスタービン / 熱疲労 / コーティング材 / 寿命推定法 / モデル化 / 単結晶Ni基超合金 / 一方向凝固材 / 多結晶材 / Ni基超合金 / 単結晶 / 疲労強度 |
研究概要 |
本研究では、(i)Ni基超合金単結晶材、一方向凝固材、および、多結晶材を対象として、それらの熱疲労強度、クリープ疲労強度特性の比較等を通じて、それら強度特性のメカニックスとメカニズムの解明、および、熱疲労とクリープ疲労強度特性との類似点、相違点の抽出、(ii)(i)の基材に耐食コーティングを施した場合の熱疲労強度、クリープ疲労強度特性の比較等を通じて、それら強度特性のメカニックスとメカニズムの解明、および、熱疲労とクリープ疲労強度特性との類似点、相違点の抽出(iii)(i),(ii)の特徴をしながら、コーティング材に特有の問題点の抽出、などを通じて、(iv)使用環境や目的に応じたコーティング材の高強度、高機能化を支援する技術を開発することを目的として活動した.その結果、以下のことを明らかにした。 まず、コーティング材の熱疲労について、その特性を一定温度下の高温低サイクル疲労試験だけから予測するには限界があり、熱疲労試験そのものが不可欠であることが明らかとなった。すなわち、従来の見解を踏襲すれば、「in-phase条件下における熱疲労の寿命≒熱疲労試験の最高温度条件における高温低サイクル疲労寿命」であり、一方、「out-of-phase条件下における熱疲労の寿命≒熱疲労試験の平均温度条件におけるLCF寿命」と近似できることになるが、本共同研究により、上述の見解をそのまま適用した場合に、条件次第によって危険側の予測さえもを与えかねないことが明らかとなった。また、一定温度の高温低サイクル疲労強度がコーティングを施すことにより向上したのに対し、熱疲労においてはそれと同様の傾向を示さなかったこと、そして、また、熱疲労破壊においては最高温度のみならず最低温度(極言すれば全ての温度)条件における特性も大きな意味を持つことも実験的に確かめられた。 また、コーティング材の特性評価に関して、基材単体に関する知見の延長線上からではなく、やはりコーティング材そのものを用いた特性評価の重要性も明らかとなった。コーティング材の各種高温強度特性が、基材単体のそれらとは必ずしも同一の傾向で変化しなかったことがその具体的な現れである。これはまた,コーティング部材の強度が被膜と基材との『相互作用』ともいうべき現象によって支配されていることを示すものである. さらに、Ni基超合金という基材に特有の幾つかの特徴も実験的に明らかとなった。例えば、非弾性ひずみ範囲など従来材と類似のパラメータを指標として各種実験条件下の寿命特性を検討すると、基材による寿命の相違を明確に把握できなくなる傾向が見られることが確かめられた。このような状況はエネルギー的な概念を援用したOstegren流の取り扱いにおいても同様であり、むしろ、高サイクル疲労の検討の際に用いられてきた応力をベースにした方が理解しやすいことも確認された。以上のような特徴が、この種の合金に特徴的な変形挙動や構成式によるものであることを非弾性破壊力学的に示した。
|