配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,金属基複合材料の繰返しに伴う疲労の初期損傷,疲労き裂発生および微小き裂伝ぱからなる疲労損傷の進行を実験的に明らかにするとともに,疲労損傷をX線法を用いて検出するシステムを構築することである.特に,切欠き近傍やき裂近傍の損傷評価には従来の広束X線では,十分な精度での検出が困難であるため,X線照射面積を制限し,微小部のX線応力測定が可能なシステムを構築することを目的とした.そのため,まず第一に粒子分散強化型複合材料を対象として,その疲労過程を明らかにした.すなわちSEM内での疲労試験を行い,疲労き裂の発生及び初期伝ぱ挙動のその場観察を行い,強化粒子寸法が小さい場合には,疲労き裂は母材のアルミ相から発生し,粒子寸法が大きい場合には,大部分は粒子割れから発生することを示した.また,粒子寸法が大きい場合には粒子界面のはく離および粒子近傍の母相からも疲労き裂が発生することを明らかにした。ついでX線法による疲労損傷評価法について検討し,残留応力が疲労繰返しとともに圧縮に大きくなること.また負荷による各相の応力負担分に注目し,繰返しとともに両相ともに応力負担分が減少し,これより寿命評価が可能であることを示した.この低下は,母材と強化粒子の界面でのはく離や,母材における疲労き裂の伝ぱが原因であることを示した.最後に片側切欠き材を用いて,切欠き底近傍の微小領域の応力測定を行い,切欠き底の応力分布が精度よく求まることを示し,本システムの有効性を示した.
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