研究課題/領域番号 |
10555029
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
箕島 弘二 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50174107)
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研究分担者 |
田中 和人 京都大学, 工学研究科, 助手 (50303855)
駒井 謙治郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (70025948)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1998年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
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キーワード | 破面 / フラクトグラフィ / ステレオ写真 / 3次元形状 / 遺伝的アルゴリズム / 画像処理 / 対応点探索 / 高分解能電界放射型走査電子顕微鏡 / 3次元形状再構築 / 走査型電子顕微鏡 / へき開割れ |
研究概要 |
本研究代表者らは、コンピュータ画像処理技術を応用して、ステレオ破面画像を用いた3次元形状再構築手法を開発し、新たな定量解析手段を提供している。しかし、再構築を行う上で最も重要である2枚の画像の対応点の探索法として従来より用いられるSSDA法と相互間法に基づいた粗・精探索手法では、再構築点数は高々40X40点ほどにとどまるとともに、粒界われのように濃淡変化の乏しい画像では3次元形状の再構築そのものが極めて困難であった。これは、探索領域でもっとも適応度の高い点を対応点と見なす粗・精探索手法では、画像ノイズ等により本来の対応点以外の部分を対応点と判断して、探索ミスを生じることが多く、探索精度の向上そのものが困難であったためである。そこで、本研究ではステレオ破面写真の対応点探索に対して遺伝アルゴリズムを用いた高精度・高分解能破面3次元形状その場再構築システムを開発して、その有用性・実用性を確認した。本システムでは走査電子顕微鏡のデジタル画像フォーマットであるTIFFフォーマットを介して高分解能電界放射型走査電子顕微鏡破面画像を直接コンピュータに取り込めるようになってる。本開発システムを用いて、へき開破面、粒界割れ破面、粒内疲労破面、ディンプル破面、およびストライエーション破面などの種々の破面の3次元形状を再構築した。その結果、いずれの破面においても3次元形状を精度良く再構築することが可能であったこと、また、1組のステレオ破面の対応点探索に対して従来より用いられてきた粗・精探索手法、すなわち対応点と見なしうる点をまず大まかに探し(粗探索)、その後その周囲で最も対応する点を探す(精探索)方法にくらべて、本システムでは局所解にとらわれたミスマッチングを大幅に少なくすることができ、しかも計算速度を大幅に上昇できることを明らかにした。さらに本システムにより120X120を超える3次元形状再構築点を求めることが可能であることを示し、本開発システムの有用性を示した。さらに、本システムをSUS316NG鋼およびSGV410鋼の実験室空中疲労破面に適用し、応力拡大係数と破面のあらさの関係について検討した。この結果、SUS316NG鋼の破面あらさと応力拡大係数の間には明瞭な関係は見られなかったが、SGV410鋼の場合は応力拡大係数幅が大きいほど破面あらさが大きくなることを示し、本システムが十分に実用性を有することを示した。
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