研究分担者 |
大倉 和博 神戸大学, 工学部, 助教授 (40252788)
ミハイル シビニン 神戸大学, 工学部, 助教授 (90274125)
ヤリ ワーリオ ノキアジャパン, ノキアリサーチセンタ, 研究室長
藤井 信忠 神戸大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC)
VAARIO Yari
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研究概要 |
本研究課題においては,設計・制御対象である現実世界と設計・制御の主体となる人間との間に,現実世界では実現困難な状況を実現可能となる仮想空間内に構築し,仮想空間を通じて人間がシステムと直接的に相互作用を行えるようなインタラクティブ環境の開発を行うことによる生物型生産システムの実用化を目指し,以下に示す研究を行った. 平成10年度 インタラクティブ環境の理論構築(上田・大倉):生物指向型生産システムの実用化を図る上で,現在の人工物システムが抱える問題点の困難さを,システム理論を用いて3つのクラスに分類し,最も困難なクラス3の問題を解決するためにインタラクティブ環境を利用することの有用性を確認した. 人工現実感を用いた生物指向型生産システムの構築(ワーリオ・藤井):現在まで研究を進めてきた生産システムにおける自己組織化理論と人工現実感を結合し,購入設備である計算機上に初期的なインタラクティブ生産システムの構築を行い,システムに参入した人とシステムの間の相互作用過程を確認した.また,既存の場的理論に基づく自己組織化理論の一般化を図り,手法の拡張を図った. 自律移動ロボットの学習教示に対するインタラクティブ環境の適用(シビニン):インタラクティブ環境における学習理論構築の基礎研究として,拡張型強化学習機能を有した四足歩行ロボットを作成し,提案した学習アルゴリズムの有効性を示した. 平成11年度 構築システムの理論的性能評価(上田・大倉):人工物間の相互作用場を仮想空間を用いて実現するするインタラクティブ環境の理論構築を継続し,構築,拡張されたインタラクティブ環境の理論的評価を行ない,提案理論の妥当性と性能の評価を行った. インタラクティブ環境の拡張(ワーリオ・シビニン・藤井):前年度までに構築した生産システムにおける自己組織化理論と人工現実感を結合して構築したシステムの拡張を行なった.また,自己組織化理論の一般化を引続き行なった(ワーリオ・藤井).前年度に構築した拡張型強化学習機能を備えた四足歩行ロボットを拡張し,インタラクティブ環境における学習理論の構築を行った(シビニン). 研究の総括(全員):仮想空間を用いたインタラクティブ環境を利用することによって現実空間で実現困難な事象を実現し,生物指向型生産システムを実用化する可能性について検討した.
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