| 研究分担者 |
樋野 励 神戸大学, 工学部, 助手 (80273762)
柴坂 敏郎 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (80094530)
森脇 俊道 神戸大学, 工学部, 教授 (00031104)
宇田 豊 株式会社ニコン, 生産技術本部, 課長(研究職)
|
|---|
| 研究概要 |
本研究では,申請者らによって開発されたWalking Drive機構をX,Y,θ3軸に適用し,超精密位置決めおよび送り装置の位置決め精度を,実用的な高速性を維持しながら向上することを試みた.
・Walking Driveによる超精密高速XYθテーブルの設計試作と基本特性の評価
Walking Driveの機構を適用し,長ストローク,超高分解能,高速応答性,小型で高剛性などの多くの利点を有する超精密XYθテーブルを設計,試作した.基本特性の評価を行った結果,本装置が数十N/μmの高い剛性,サブミクロンオーダの比較的良い真直度を持つことなどが分かった.
・デュアルモード駆動アルゴリズム,ソフトウェアの開発
高速性を向上するために,位置偏差が大きい間は"走る動作に類似した楕円振動駆動"を用いて高速駆動を行い,目標位置に近づいてから"歩行動作に類似したWalking Drive"に切り替えて正確に位置決めを行うデュアルモード駆動システムのアルゴリズム,およびソフトウェアを開発した.
・レーザフィードバック制御システムの開発
試作した超精密XYθテーブルの位置をレーザ干渉測長機により測定し,その値をフィードバックして同時3軸の超精密運動制御を行うシステムを構築した.
・超精密高速位置決め実験
試作機による超精密高速位置決め実験を行い,その性能の検討を行った.その結果,新しいデュアルモード駆動アルゴリズムによって,従来の手法に比べて大幅に送り速度を向上し得ることが確認された.
・試作開発されたシステムの総合的な特性評価と実用化への検討
新しい送り装置,駆動ソフトウェア,制御システムなど個別に開発した部分について全機能を統合した場合の特性を総合的に検討,評価した。
|
