配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
|
研究概要 |
本研究の目的は,超LSIや精密光学素子などの製造,あるいは基礎物理学の研究や新素材開発,さらにはマイクロメカニズムの実用化などにおいて必要となる超精密加工技術,特に微細加工技術を開発し,社会的ニーズに応えることである.そのために,研究代表者らが開発した「ツイストローラ摩擦駆動機構」を位置決め装置として採用した3軸制御超精密数値制御工作機械を設計・試作し,この超精密工作機械を用いた3次元的な微細加工が加工可能であることを明らかにする.ツイストローラ摩擦駆動機構を採用した位置決め装置では0.1mm以下のリードを実現でき,オングストロームオーダの高い位置決め分解能が実現できることがすでに確認されている.ただし,ツイストローラ摩擦駆動機構の位置決め性能は研究目的を達成するのに十分であるが,機構上の問題点としてラジアル振れによる案内精度への干渉が挙げられる.この問題点に関しては空気静圧案内面に能動自成絞りを組み込むことにより解決できることがわかった. このようにしてツイストローラ摩擦駆動機構を採用した3軸制御超精密工作機械を開発し,微細加工のための実験装置とした.微細加工における加工法はダイヤモンド単刃工具による旋削と,小径の超鋼エンドミルによるフライス加工とし,被削材はアルミ合金とした.2軸制御による旋削においては,直径25mm程度の平面鏡や球面鏡などの光学部品の製作を行い,さらにその表面にナノメータオーダの微細な段差を加工した.形状精度は0.1μmオーダ,表面あらさは10nm程度であった.3軸制御によるフライス加工においては,大きさ0.1〜1mm程度の円錐,四角錐,歯車形状や文字などを加工した.通常工具を用いたフライス加工であるために形状精度は10μm程度,表面あらさは数μmであった. 本研究の特色・独創性は,ツイストローラ摩擦駆動機構という従来にはない機構を採用した位置決め装置の機械加工における実用性を示そうとしていることであり,機械工作・生産工学分野での重要な研究課題である精密位置決め技術および微細加工技術の発展に貢献できるものと考えている.
|