配分額 *注記 |
12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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研究概要 |
本研究は,走行する細線ワイヤを工具として,加工方式を加工機上で自在に変更しながら加工物に対して所望の形状および表面機能を付与するための方法の開発に関するものである.以下に研究成果の概要を示す。 1.試作加工実験装置 既存の形彫放電加工機の主軸に取り付け可能なワイヤ行系を試作した。ワイヤの駆動には直流モータを使用し,さらにパウダーブレーキを用いることによりワイヤに張力を与える.スラリコーティングワイヤを用いて表面改質放電加工を行う場合は主軸に加工物を取り付けて実験を行う.放電表面処理でワイヤを表面改質する場合は,主軸に電極を取り付けて行う. 2.スラリ塗布ワイヤによる表面改質加工 主軸に取り付けた加工物に対してワイヤ放電形状加工を行い、次にこの加工面に対してTiC粉末とグリセリンとからなるスラリをコーティングしたワイヤを用いた表面改質放電加工を行った。極間距離を50μm以上になるように設定し,放電がスラリを会して発生するようにした.加工物に対する元素分析の結果、加工物表面上に粉末成分であるTiが混入し、10μm程度の改質層が確認された。改質層の硬度は2000Hv程度あり,また,X線回折によって,TiC層であることを確認している.電極側の極性が負であることが重要である。 3.放電表面処理ワイヤを用いた研削加工 放電表面処理ワイヤを用いて研削加工を行った。 まず、形彫放電加工機の主軸取り付けたTiC圧粉体電極によりスチールワイヤに対して堆積加工を行う.間欠放電によってワイヤの表面には,高さ10μm程度のTiC堆積物が点在し,これが切削刃となる.次にこのワイヤを用いて研削加工を行った。研削装置は円筒形加工物に回転を与えるマイクログラインダと,パルスモータで駆動するステージからなっている。仕上げ面粗さは0.7μmR_a程度であった.このように,放電表面処理したワイヤで運動転写の研削加工が可能であることが明らかになった。
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