研究分担者 |
杉本 十太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20114514)
福島 義明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20011075)
鈴木 健司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (50251351)
榊田 均 株式会社東芝, 重電技術研究所, 主査(研究職)
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研究概要 |
すべり軸受の潤滑面は,試用時間の経過とともに磨耗変形が進行し,新造時とは異なる軸受面形状を呈するようになることが知られている。これは、起動・停止時,低速運転時などに十分な厚みの潤滑油膜が形成されず,ジャーナルと軸受が固体接触する確率が増えることが原因と考えられる。磨耗変形が発生して油膜形状が変化すると,すべり軸受の油膜形成能力やすべり軸受でささえた回転軸の安定性が低下することが知られており,磨耗変形量の正確な把握は回転機械の運転信頼性を確保する上で極めて重要である。しかし、実際には回転機械の開放点検時にすべり軸受面を目視で調べるにとどまっており,定量的な計測は行われていない。これは,回転機械を設置したサイトで磨耗変形を迅速かつ簡便,高精度に計測できる装置がないためでもある。そこで本研究では,直径百mmの大型スベリ軸受の潤滑面に発生した深さ数十ないし百数十μmの磨耗変形を,数μm以下の誤差で簡便,迅速に検出できる非接触計測システムを開発することを目的に研究を行い,そのハードウェア,ソフトウェアを製作し,すべり軸受のモデルを用いてその機能,性能が十分なものであることを確認した。具体的には,渦電流変位センサーの測定プローブが指定した半径の円弧状を動く回転運動と回転面が直線的に移動できる機構を組み合わせ,軸受面の円周方向と軸方向を走査して,軸受の潤滑面全面とセンサーとの距離を測定するハードウェアをまず製作した。次に,予備的な測定データを用いて,測定プローブの測定可能距離範囲内に測定対象面全面が入るように測定システムの位置決めを行なうためのデータ処理アリゴリズムを開発した。さらに,測定したデータから磨耗痕部分を自動判別して磨耗痕の2次元的広がりと深さの分布を検出し,コンピュータのモニター上に表示するアルゴリズムを開発した。これらのハードウェア,ソフトウェアをを用いて人工的に磨耗痕を加工した直径500mmのモデル軸受の磨耗痕計測を行ったところ,すべての機能、性能が十分満足できるものであることが確認された。
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