研究概要 |
ジッタを測定するために,レーザー光源,ポリゴンミラー,fθレンズ,ジッタ測定装置など各要素を製作した.組立て後,本装置はドライプロセスセッターとしても使用できるものである.最初に,ポリゴンミラーの応力解析を数値計算にて行った.ポリゴンミラーは高速で回転するため遠心力等により降伏しないか,またはミラー反射面の形状は遠心力によりどのように変形するかを求めた.シュリンクフィッタに向く材質と最適形状について,過去に行った研究を踏まえて検討した.作製した各要素を用いて,ドライプロセスセッターを組立てた.その後,動作チェックのためにジッタを測定した. ミラー反射面がジッタに及ぼす影響を明らかにするために,幾何学に基づく考察を行い,ミラー反射面が理想平面からずれた場合のジッタを求める理論式を完成させた.次に,6面のポリゴンミラーの各反射面の表面形状をレーザー干渉計で測定した.測定したミラー反射面を7〜8次の多項式で近似した.近似式を任意の場所で微分することで,任意の場所の反射面の傾きを求めることができ,ジッタを理論的に求めることができる.実験装置を用いて,すでに反射面形状を測定したポリゴンミラーのジッタを測定した.ジッタの測定値と理論計算値を比較したところ,両者には良い一致が見られた.ミラー反射面の形状は,静止状態で測定している.回転したミラーは遠心力を受けるため,ミラー反射面形状は静止状態からゆがむことになる.そこで,計算で求めた遠心力によるミラー反射面の形状変化を加えたのち,改めてジッタ解析を行った.その結果,求めた計算値はより一層実験値に近づいた.今回行った研究により,静止状態のミラー反射面形状を測定することで,ポリゴンミラーの回転状態のジッタを求めることが可能となった.
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