配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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研究概要 |
冶金学的知見に立脚して開発された新しい耐ダークスポットレール(ベイナイト鋼)をダークスポットき裂の発生機構とき裂伝ぱ機構に立脚して評価・検討し,耐ダークスポットレール開発の設計指針を確立して開発レール材の有用性を確認した.得られた主な成果は以下のようにまとめられる. 1.き裂は局所的接触に起因する高い接線力によって発生する.発生したき裂は雨水のき裂内浸入に起因する水圧作用によって伝ぱする. 2.平均接線力が低い条件下では,現行レールのパーライト鋼(HV265)よりも,それと同等の硬さを持つベイナイト鋼の方が耐ダークスポット性が優れている. 3.平均接線力が高い条件下では,塑性変形起因の表面損傷が発生するが,その防止には.素材の高強度化が有効である. 4.ベイナイト鋼の摩耗量は同一硬さのパーライト鋼よりも多く,ベイナイト鋼の耐摩耗性はパーライト鋼と比べて劣るが,高強度化と高炭素化により耐摩耗性の改善が可能である. 5.素材の軟質化による摩耗の促進が,き裂発生の抑制に有効であるとの通説は確認されなかった. 6.ベイナイト鋼レールは,各種溶接施工方法においても,現行レールと同等の溶接継ぎ手性能が得られ,実用上の問題はない. 7.現在,実軌道において,ベイナイト鋼レール(HB250〜360)の耐表面損傷性を評価中であるが,転がり疲労損傷の発生寿命はパーライト鋼レールに比較して格段に優れている. 以上の結果を踏まえ,ベイナイト鋼レールの実用化に向けて,JIS普通炭素鋼レールの強度規格並びにJR規定の電気抵抗値を満足するベイナイト鋼の化学成分の検討が実施されている.
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