研究概要 |
原子炉細管メンテナンスロボットなど,直径10mm以下の高機能管内作業マイクロマシンを実現するため,印加電界によりみかけの粘度を制御可能なER(電気粘性)流体を作動流体とした,シンプルでマイクロ化が容易な流体制御システムの試作をおこなっている. 1.粒子分散系ER流体を作動流体とした高機能アクチュエータの提案,試作:比較的大きな力を制御できる粒子分散系ER流体を,回転または並進運動可能な平行平板電極間に流し,電界印加で生じる差圧により駆動する単純構造の高機能アクチュエータMETERA(Movable ElectroD-Type ER Actuator)を提案し,R-METERA(回転形)およびL-METERA(直動形)を試作し,特性実験によりそれらの有効性を確認している. 2.均一系ER流体を作動流体としたマイクロERバルブの提案,試作:分散粒子を含まずマイクロ化に適した均一系ER流体を固定平行平板電極間に流し,印加電界強度により圧力,流量を制御する,可動部のない単純構造のマイクロERバルブを提案し,機械加工および半導体プロセスにより試作し,その特性を実験的に明らかにしている.また電極間隔を変え特性実験をおこない,動特性によりマイクロ化の限界が定まることを示している. 3.共振駆動を用いた高出力圧電マイクロポンプの提案,試作:流体パワー源として,圧電素子および慣性質量を取付けたベローズの共振による大きな体積変化を用いた,高出力圧電マイクロポンプを提案,試作し,特性実験によりその有効性を確認している. 4.高機能管内作業マイクロマシンの構成の検討:マイクロERバルブ,共振駆動形圧電マイクロポンプおよびベローズ形マイクロアクチュエータから成るマイクロ位置制御システムを試作し,その有効性を実験的に確認している.また管内作業マイクロマシンの屈曲推進機構の試作,静特性の実験的検討もおこなっている.
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