研究分担者 |
浅子 佳延 (株)日本触媒, ファイン開発業務部, 主任研究員
鳴海 敬倫 新潟大学, 工学部, 助教授 (20143753)
YOSHINOBU Asako Nippon Shokubai Co., LTD, Division of Fine Chemicals, Cliief Researcher
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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研究概要 |
複合機能を有するERデバイスの開発を目的として,次の二点に関して研究を行った。まず,流動や運動を制御するのに必要な元情報を,ロードセルなどの別の測定器を用いずに得られるように,液晶のERデバイスに流量算定機能を付加する方法について試験的研究を行った.また,分散系ER流体を微小な流路でも利用できるように,流路形状を変えてER特性の改善をはかり,さらにその流路に液晶流路を連結させて両者の欠点を改善し,より広い条件下で有効なERデバイスの開発を試みた。以下にそれぞれの成果を述べる。 1.微小ERデバイスを流れる液晶の画像解析による流量算定法の開発 ERデバイス内を流れる液晶の電場による配向状態が流速により変化する現象を利用して,偏光下で得られる流動状態の光学パターンの変化を画像解析し,流量を算定する方法を確立した。すなわち,一部をエッチングにより櫛歯状にした電極を用いて,その明暗パターンをデジタルフーリエ変換し得られる情報または明暗の振幅やその平均明度を算出し,それらと流量は一義的な対応関係が得られる範囲があることから,光学パターンの変化から流量の算定が可能であることを解明した。また,その誤差は3%程度で,実用上十分な精度であることを明らかにした。 2.分散系ER流体のデバイス小型化のための流路形状検討ならびに液晶流路を併用したERデバイスの複合化の検討 分散系ER流体をテーパのかかった微小な縮小流路で用いることにより,より高いER効果が得られ,そのER効果には電極面に形成される分散粒子層により主流部の流域幅が狭まることによる影響が支配的であることを明らかにした。また,分散系ER流体のデバイスと液晶のERデバイスをつなぐことにより,ほぼ流動を停止させるバルブ効果と高せん断側でのER効果の確保というそれぞれの利点を併せ持つ広い流量範囲で有効なERデバイスが実現できることを明らかにした。
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