配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1998年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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研究概要 |
低環境負荷高効率ガスタービン燃焼器の開発において,二酸化炭素と窒素酸化物をともに低減させることは非常に困難な技術課題であるが,これらを同時に実現することが近年求められている.この問題を解決する方法として,実用ガスタービン燃焼器に高精度の計測装置と制御システムを搭載し,瞬時の計測情報に基づいて燃焼器を動的に制御することにより,環境汚染物質排出量の低減と振動燃焼等を防止することが考えられる.そこで本研究では,半導体レーザ分光を用いたガスタービン燃焼器における環境汚染物質排出量の高精度計測法と振動燃焼等の不安定現象の検出法を確立することを目的としている.本研究では,燃焼器における振動燃焼等の不安定現象の原因と考えられる反応性乱流からの音の発生機構の解明とその予測法の確立,炭化水素乱流予混合火炎における環境汚染物質の生成機構の解明,H2OとCO2の吸収線を用いた半導体レーザ吸収分光計測法の確立とその適用性の検討に重点をおいて研究を行った.その結果,実用的な燃焼器において発生する音の発生機構を明らかにするとともに,燃焼器の動的制御法を開発する上で非常に重要となる燃焼場における音の簡易予測法を開発した.炭化水素燃焼を対象とした直接数値計算から,乱流中での局所的な窒素酸化物の生成速度が局所熱発生率と密接に関連しており,それらを実験的に計測するには熱発生率と相関の高いCH濃度を用いることが有望であることを明らかにした.さらに,直接数値計算結果を用いた半導体レーザ吸収分光計測の誤差解析を行うとともに,H2OとCO2の吸収線を用いた半導体レーザ吸収分光計測システムを開発し,それらを用いた温度及び化学種濃度の計測精度と時間分解能を検証し,実用ガスタービン燃焼器へ搭載するための基礎的な知見を得た.
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