研究概要 |
この研究では,開発コンセプトとして,「快適な操作性と軽量なパワステ車いす」を掲げ,自動車のパワーステアリング並みの操作性と利用者一人でも取り扱える程度の軽量性を備えた電動補助車いすの実現化を目標とした. 当該研究期間において,以下の項目について研究を行った. (1)制御方法の検討,(2)制御システムの設計・試作,(3)トルク検出器の設計・試作,(4)トルク検出器の設計・製作,(5)トルク検出器用実験装置の設計・製作,(7)試作1号機の製作,(8)試作1号機の制御プログラムの開発,(9)試作1号機によるデータ収集,(10)試作2号機の機構部の設計・製作,(11)試作2号機の制御システムの設計,(12)試作2号機の制御システムの構築,(13)試作2号機によるデータ収集,(14)最適形状等の検討,(15)最適な制御アルゴリズムの検討 研究の結果,要である小型軽量な手動駆動力検出器を開発し.非接触での電力・信号伝達の新たな方法を考案するに至り,無段階トルク制御システムを備えた電動補助車いすを提案し,市販品をベースにした試作1号機を製作することができた.また,軽量化設計にも取り組み,利用者一人でも取り扱える程度までの大幅な軽量化を実現した試作2号機を製作することができた. 今後の課題として,現在の制御用マイコンであるH8/3048Fではプログラム開発に制約があることから,その後に発売された上位機種のSH2を使用し,より高機能な制御システムを構築予定である. また,市街地での段差の実態調査を行ったところ,車道と歩道の段差など,1〜2段程度の小段差を乗り越えることができれば,車いすの行動範囲が大幅に拡がると予想されるので,軽量な小段差乗り越え機構の開発も必要と思われる.
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