研究概要 |
1.真空蒸着法によりコーナーキューブプリズム上に各種の色素薄膜を付け,微量ガスに対する呈色反応スペクトル,すなわち色素膜を付けた場合の吸収スペクトル及び蛍光色素薄膜を付けた場合の蛍光スペクトルと強度変化特性を測定し,各々の特性の評価を行うとともに,本研究に使用する色素の選定を行った。 2.コレステリック液晶に添加するネマティック液晶の割合を調整することにより,1.3μm帯に選択反射波長を有するコレステリック液晶セルを作製し,同一の2枚のコレステリック液晶セルの間にネマティック液晶セルを挟み込んだ液晶セルを構成した。この液晶セルを用いて,選択反射波長内で透過光強度の電界強度依存性を測定し,電界センサとしての特性評価を行った。 3.コーナーキューブプリズムの反射面に異なる色素薄膜を付けたセンサヘッドを構成し,酸・塩基ガスに対するスペクトルの変化を多変量解析の手法を用いて解析を行い,各々のガス種の分離・検出を行うことができた。 4.以上の実験結果を踏まえて,色素薄膜を付けたコーナーキューブプリズムとロッドレンズを付けた光ファイバの間にコレステリック液晶セル及びネマティック液晶セルを挟み込んだ構造のマルチセンサヘッドを作製し,複数の機能を有するマルチセンシングシステムを構成して,その特性の測定及び評価を行った。 5.液晶分子に対する配向規制力すなわちアンカリング強度がそれぞれ異なる配向膜を用いて液晶セルを作製し,電界に対する液晶分子の配向状態の変化を透過光強度の変化として測定し,アンカリング強度と電界に対する分子配向の関係について考察するとともに,電界センサとしての特性評価を行った。 6.上記のマルチセンサヘッドを複数個光ファイバに接続し,光パルスの後方散乱効果の測定手法(OTDR)を用いることで,それぞれの複数の機器における異常現象を遠隔より同時にモニターすることができる装置を構成して,その特性の測定及び評価を行った。 7.本研究を総括し,研究成果の取りまとめを行った。
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