配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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研究概要 |
本研究は大規模で複雑な構造体に対応する定量的な超音波法の開発を目的として,1.複雑な構造体に対する波動解析プログラムの開発,2.探触子の特性と入射波動場の評価,3.実験データへの適用を行ったものである.1.においては,波線理論と境界要素法,あるいは,波線理論と差分法を用いて,それぞれの解析法の特徴を生かした効率的な波動解析法の開発を行った.波線理論は,高周波波動に対する近似解法の一つであり,単純な幾何形状の問題に対しては非常に簡単な計算によって波動場の計算を行うことができる.一方,境界要素法や差分法などの数値解析法は複雑な幾何形状の問題に適用可能である.そこで本研究は,欠陥近傍の複雑な散乱現象には境界要素法あるいは差分法を用い,その他の比較的単純な反射,透過波動には波線理論を適用し,両者の長所を生かした数値解析法を開発した.2.探触子の特性と入射波動場の評価においては,シミュレーションあるいは計測された波形から探触子振動面上の振動モードを推定する逆問題を設定して解析を行った.用いた手法は,計測波形と解析波形の差の二乗和が最小となるように振動面上の速度分布を決定するもので,典型的な逆解析である.解の不安定性を抑制するために,Tikhonovの正則化項を付加して解析を行った.3.実験データへの適用においては,1.において開発された波動解析プログラムを段差部,スリット,溶接余盛,丸棒内あるいは厚板内の欠陥など様々な実験供試体に適用し,実験波形と計測波形を比較して両者の一致を確認した.また,開口合成法ならびに線形化逆解析によって欠陥形状の画像化を行った.開口合成処理,線形化逆解析のいずれにおいても,複数の伝播経路を考慮することにより欠陥再構成像の解像度が向上することが明らかとなった.
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