研究課題/領域番号 |
10555160
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
地盤工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東畑 郁生 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20155500)
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研究分担者 |
龍岡 文夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111565)
吉嶺 充俊 東京都立大学, 工学部, 講師 (80251338)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
1999年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1998年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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キーワード | 液状化 / 側方流動 / 大変形 / 矢板壁 / 盛土 / 地震防災 / 測方流動 / 地震 / 変形 / 振動台 |
研究概要 |
基礎の液状化による構造物の大変形と機能喪失を軽減することが、研究目的である。河川堤防などの盛土を対象として、基礎の地盤改良によって液状化そのものを防止することが実際的ではない状況を想定して、代替索の研究を行った。そこでは液状化の発生そのものは許容しつつ、洪水を防止するという堤防の機能を保全する程度に、変形を軽減することを目標とした。 変形、とくに沈下の軽減のために、盛土法尻の地中に自立矢板壁を設けることを考えた。振動台上に設けたゆる詰め砂地盤上に盛土模型と矢板を設置し、加振時の応答や変形を計測した。その結果、まず次のようなことが観測された。 1)比較的高周波数で加振した場合、法尻の矢板は盛土基礎の地盤の側方流動を妨げ、その結果、盛土の沈下は軽減される。ただし、法尻付近からの噴砂があること、基礎地盤の圧密体積収縮が存在することのため、沈下を完全に抑制することは出来ない。 2)低周波加振では、矢板の変位振幅が著しくなり、盛土との間に亀裂が開いて、そこから大量の噴砂が起こる。その結果盛土もはなはだしく沈下し、矢板壁の効果が失われた。 上記2の問題は重大であるので、対策として矢板頭部に抑え盛土をあぶせ、噴砂を妨げる工夫をした。そして新たに実験を行ない、盛土沈下が軽減されることを確かめた。 別の工夫として、矢板に排水促進機能を付加する手法がある。これは地中に発生した過剰間隙水圧を速やかに消散させ、基礎の地盤に剛性を回復させ、大変形を防止することを目的としている。実験結果によれば、盛土から見て矢板外側に排水機能を付けても影響範囲が小さく、あまり効果が無かった。しかし内側に排水材を設置すると、上述の噴砂口付近の剛性が保たれ、一種の栓になって噴砂が抑制、沈下が軽減された。さらに盛土天端から矢板壁を二列挿入して上端をタイロッドで結合する工夫も実験した。ある程度の効果はあるものの、法面が防護されていないので崩れやすく、その結果矢板の変形と天端沈下も大きくなることがわかった。
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