研究分担者 |
神田 政幸 鉄道総合技術研究所, 構造物技術開発事業部, 技師 (10282823)
桑野 二郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30178149)
日下部 治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40092548)
三宅 達夫 東洋建設, 鳴尾技術研究所, 所長
高橋 章浩 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40293047)
岡村 未対 国土交通省, 土木研究所, 主任研究員
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研究概要 |
遠心模型実験用水平・上下二自由度地震波シミュレータを世界で初めて開発した.この章では,装置の詳細と性能確認実験結果を示した.その結果,改善の余地はあるものの,本装置によって水平動と上下動を独立に制御し,模型地盤に水平・上下振動を与えることができることが確認された.この地震波シミュレータを用いて,ジオグリッドにより補強された補強土擁壁とプレキャスト3ヒンジトンネルを対象とした振動実験を行った. ジオグリッドにより補強された補強土擁壁の実験から,ジオグリッド補強土擁壁の地震時安定性は主として水平振動によって決まること,水平振動に鉛直振動が加わるとその影響は加速度の位相差によって異なり,斜面方向の水平加速度と上方向の鉛直加速度が逆位相の場合,擁壁の水平変位は同位相のものより小さくなること,逆位相の鉛直振動はその安定性を向上する方向に働くことが分かった.プレキャスト3ヒンジトンネルの実験から,土被り厚が大きくなるに従い,地盤の拘束圧が上昇し,部材にかかる軸力の作用は大きくなり,曲げモーメントは3ヒンジアーチという構造のため,その値は低減され土被り厚にはほぼよらないこと,0m土被りの場合,土被りがある場合と比べて曲げモーメント分布・軸力分布が大きく変動し,残留曲げモーメントも大きな値を示すことから,少しの土被りでも,格段に安定性が増加すること,水平加振時,アーチトンネルは地盤変位に追随し,3ヒンジアーチの利点を十分に発揮していること,軸力・曲げモーメント分布共に,天端を中心にほぼ左右対称形を示し,盛土高さによらずほぼ同形状を示すこと,脚部拘束条件により,部材力分布傾向が大きく変わるため,脚部の施工はこの構造上重要であること,トンネル脚部の沈下は,水平方向振動に比較し鉛直振動の場合に明らかに大きく,沈下量は鉛直方向振動による部分が大きいことが分かった.
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