研究概要 |
(1)レーザ光源の選択:レーザ光源として16個のレーザダイオードを配列し,各ダイオードからのビームはシリンドリカル・レンズで扇型に拡張するようにした.これにより前回の試作機のステップ・モータによる可動部を完全になくすことができた.また,発光は電気的に一定の時間差で順次瞬間的に切り替えるようにした. (2)データ取得法の改良:レーザ光を受光するフォト・ダイオードには常時,濃度場を通過した濃度場の積分情報を含むレーザ光が入射するが,発光源が順次切り替わるたびに,電子回路制御により一定の位相差で,入射光を記録するようにした. (3)データ取得の高速化:以上2つの方式によりデータサンプリングはμ secオーダーでほぼ連続的に行うことができるようになった. (4)計測・解析結果:上述の方式により記録された16×16(シミュレーションでは32×32)のデータから瞬間2次元濃度場の逆推定の解像度を高めることができた. (5)ウェーブレット解析の応用:上記の逆問題における誤差介入の原因を分析し,雑音型ノイズと極細のレーザー光が粒子状濃度場を粒子に妨げられずに入射するショット・ノルズ型があることを示した.これらの誤信号の除去にウェーブレット解析の手法を応用し,良好な成果を得た. (6)成果の国外発表:隔年で開かれる"レーザー技術の流体力学への応用"に関する国際シンポジウムの第10回会議(2000年7月ポルトガル・リスボン市)に研究成果を発表した.
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