研究課題/領域番号 |
10555204
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
建築環境・設備
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
吉田 篤正 岡山大学, 工学部, 助教授 (60174918)
|
研究分担者 |
高橋 智 岡山大学, 工学部, 助手 (20236277)
鷲尾 誠一 岡山大学, 工学部, 教授 (20026222)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1998年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
|
キーワード | 分光計測 / 赤外 / 反射 / 透過 / 吸収率 / 角度特性 / 建築材料 / 工業装置 / 分光測定 / 中間赤外 / 半球量 / 指向特性 / 環境表面 |
研究概要 |
本研究で開発する計測装置は、我々がこれまで開発を進めてきた可視〜近赤外域用の分光反射・透過特性の計測装置を基礎として、中間赤外域を対象とし、工学的に定義された物理量を求めることができるように設計した。また、環境表面のふく射の半透過・散乱・吸収性、表面散乱・拡散反射性に対応できるように反射・透過の角度特性、半球量を同一の光学系で容易に測定できることを目指した。 計測装置の光源部には水冷式シリコニットを採用した。光源から出た光は平面鏡と凹面鏡により集光し、光学フィルタと回折格子分光器により単色光に変換する。分光器を出た光は光ファイバにより試料に導かれる。回転楕円体面鏡の第一焦点置かれた試料から半球状に反射または透過された光は、第二焦点に置かれた検知器に集光される。試料への光の入射角度は、試料ホルダーを回転させることにより実現した。検知器には液体窒素冷却式InSb素子を使用した。試料と検知器の間に絞りを置くことにより反射・透過の角度特性が容易に求めることができた。また、分光器の入口スリットの前に置いた光学チョッパにより、それ以降は断続光となり、ロックインアンプと組み合わせて位相検波増幅することにより背景光の影響を除去した。 開発した計測装置を用いて、環境構成材料の中間赤外域の反射率と透過率の測定を行い、その波長特性および角度特性を明らかにした。試料としては、我々の身の回りにある環境構成材料として室内で使用される壁用タイル、壁紙、障子紙およびカーペット、高温環境下で使用されるセラミックスを選んだ。測定結果をふく射輸送の4流束モデルを用いて解析を行い、環境構成材料のふく射特性の評価を行った。 以上の測定と考察により、次のような結論が得られた。半透過・散乱性材料の反射は、吸収が弱い場合には、内部散乱が支配的となり拡散反射が優勢になる。波長が長くなるにつれ、表面近傍の影響を強く受ける。透過に関しては、波長域による傾向の差異は認められず、入射方向に対する指向性が強い。環境構成材料の多くは、中間赤外域においても吸収率が1.0よりも十分に小さく、反射(および透過)を考慮する必要がある。4流束モデルを利用した解析から得られる吸収係数、散乱係数により、透過性のある材料の厚さを考慮したふく射特性の評価を行うことが可能である。
|