配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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研究概要 |
有機-無機ハイブリッド界面を利用して新たな機能材料の創製とその特性改善を試みた結果,以下に示す知見が得られた。 1.窒化アルミニウムや窒化ケイ素の粉末の表面にセバシン酸を表面化学修飾すると,水中での安定性が大きく改善される上に親水性が付与されることを見出した。さらに,表面修飾セバシン酸の未反応末端カルボキシル基のプロトンと焼結助剤であるイットリウムイオンをイオン交換することにより,Y^<3+>を窒化物表面にナノ分散担持できた。この粉末を水溶媒系スリップキャスト法により成型したのち1900℃で焼結すると,高い熱伝導率(250Wm^<-1>K^<-1>)を示すA/N焼結体が得られた。 2.湿潤空気中で酸化処理した基板表面に1,12-ドデカンジカルボン酸でLB膜を形成した後,基板表面とジカルボン酸とを脱水縮合させた。さらに,それを均一セラミックス微粒子(数100nm径)を懸濁させたベンゼン中で環流処理(80℃,6時間)した結果,1,12-ドデカンジカルボン酸の未反応末端カルボキシル基と微粒子も脱水縮合反応することにより,安定なセラミックス単粒子膜が得られた。 3.界面活性剤を鋳型としてメソポーラスSnO_2を作製したのちリン酸処理を施すと,熱的安定性が格段に向上した。すなわち,600℃で5時間焼成しても規則性メソ細孔(3.2nm間隔)を有するとともに,非常に大きい比表面積(350m^2g^<-1>)を保持していることを確認した。 4.ジエトキシジメチルシランで表面化学修飾したSnO_2粉末を用いて,部分焼結型ガスセンサ素子を作製した。その結果,生成したSnO_2の多くはSnO_2粒界に集まり粒界層を形成することを確認した。さらに,この粒界部のSnO_2は空気中における粒界部のポテンシャル障壁高さを著しく増加させるため,水素や炭化水素ガスに対して著しく感度が向上することを明らかにした。
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