研究課題/領域番号 |
10555230
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村田 純教 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10144213)
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研究分担者 |
福井 寛 日立製作所株式会社, 日立研究所, 主管研究員
湯川 宏 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50293676)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1999年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1998年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | ニッケル基合金 / 高温強度 / 高温耐食性 / 超耐熱合金 / 高温酸化 |
研究概要 |
火力発電プラントの効率向上に不可欠な高性能ニッケル基超耐熱合金の開発を目的として、ニッケル基超耐熱合金の偏析現象を積極的に利用して、ガンマー相とガンマープライム相の複合組織のさらなる複合化(超複合化)を考え、高クロム単結晶超耐熱合金を作成し、高温クリープ強度、耐高温酸化性、耐高温腐食性、および熱サイクル特性(熱疲労特性)など、総合的な特性の検討を行った。その結果以下のような新しい知見が得られた。(1)Cr量が12mass%Crと一定の合金間でも、その高温耐食性には合金間で大きな差が見られた。高温耐食性は合金のTi/Al組成比(mo%)が増加するに従い良好となることがわかった。(2)高温耐食性と対照的に、耐高温酸化性は合金のTi/Al組成比(mo%)が増加するに従い劣化することがわかった。これは、高温耐食性と耐高温酸化性を共に向上させるためには、Ti/Al組成比(mo%)に最適値が存在することを示唆するものである。(3)1313K/137Mpaでのクリープ寿命は3mass%Reを含む第二世代の単結晶超合金、CMSX-4、に比べ短かかったが、1193K/196MPaのクリープ条件では、CMSX-4の破断寿命を凌駕する合金が得られた。ここで得られた結果は1193K長時間クリープ試験の重要性を示すものである。(4)短時間のクリープ特性に対してCoはその強度向上に有効な元素と考えられるが、長時間クリープ、すなわち比較的低応力側では、Coの効果は全く認められなかった。(5)当初の目的と異なり、熱サイクル試験を複合組織を持つ試料で行った結果、その組織不均一性のため早期にクラックを生じた。すなわち、熱サィクル性には均一な単結晶合金であることが必要であることが明らかとなった。 以上の結果、高温耐食性には必ずしもCrを高める必要がないことが明らかとなり、高温クリープ強度と高温耐食性を共に考慮したニッケル基超合金を作成することができた。
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