配分額 *注記 |
10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1998年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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研究概要 |
商業生産性を有したダイヤモンドコーティング工具の信頼性を向上させる指針を構築することを目的とし,円筒共振器型マイクロ波(MW)プラズマCVD装置を用いた生産性・経済性に優れたダイヤモンド形成プロセスの開発と,高過飽和二段階成長法を応用した密着性および信頼性の向上に効果的な高核生成密度の簡便な実現法とについて,検討した。 MWの変換方式ならびに導入方式を考案し,H11円筒共振器となるMWプラズマCVD装置を開発した。これにより,プラズマへのMW電力の投入効率を飛躍的に改善した。 開発した装置を用い堆積面積の向上を目指して,各種パラメータの影響について調査した。,プラズマ体積はMW投入電力増加やAr添加により膨張し,堆積面積をこれまでと比較して拡大させることに成功した。また,基板温度の均一化には分割ヒーターを用いた制御方式が有効であり,特に周辺部加熱が重要であることが明らかとなった。本研究では約50℃の基板温度差にまでに改善できている。これらの結果を用いて,φ90mmまで範囲でダイヤモンド膜を比較的均一に堆積可能となった。 密着性・信頼性向上が可能な高過飽和二段階成長法は,複雑な工程にわたっており商業ベースの生産性に欠けていた。高過飽和二段階成長法に代わりパルス噴射原料導入法を適用することにより,成長工程を二段階から一段階へ,また成長後の容器内壁クリーニング工程の省略が可能となることが明らかとなった。 以上のことから,エネルギーコストや工程時間短縮が可能なH11円筒共振器によるMWプラズマCVD法によって,高密度核発生を有するため高密着性ひいては高信頼性が期待できるプロセスの開発に成功した。このプロセスのスケールは基本的にMW波長に依存している。したがって,本研究におけるMW周波数2.45GHzから900MHzへの変更を行うことにより,更なる大型装置への展開が測れるものと思われる。
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