研究課題/領域番号 |
10555308
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
無機工業化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
川崎 雅司 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (90211862)
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研究分担者 |
川崎 雅司 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (90211862)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
1999年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1998年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
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キーワード | ゴニオメーター / 成長ダイナミクス / 表面分析ツール / パルスレーザー堆積法 / レーザー光試料加熱 / Nd:YAGレーザー / step-flow成長 / ベアリング / レーザーMBE / マイクロゴニオメータ / レーザ加熱 / STM / イオン散乱 |
研究概要 |
酸化物薄膜の成長ダイナミクスを様々な表面分析ツールを用いて解析するには、それ用の試料ステージを作成する必要があるとの認識で研究をスタートした。要件は、(1)超高真空から酸素1気圧までのいかなる環境においても、1000℃以上の高温に加熱でき、試料位置や角度を任意に設定しうるゴニオメーターであること。(2)低速イオンや電子線などの粒子を使う分析用に、磁場の発生が無いこと。従って電流による試料加熱ではなく光を用いた加熱であること、である。 初年度は、第2番目の要件を満たすべく、300W-CW発振のNd:YAGレーザーを購入し、レーザー光を用いた試料加熱の可能性について検討した。ここでは、簡易的に、適当な光学系を用いてレーザー光をビューポートから真空中に導き、試料サセプター(インコネル製)に集光した。約100Wのエネルギーで1cm角の試料を1000℃以上に加熱でき、その制御が可能であることを確認した。この結果、初めて酸化物薄膜のstep-flow成長が可能であることを示した。 次年度は、この結果を受けてゴニオメターの設計と製作を行った。特に(1)加熱部の可動機構のベアリングの選定とその保持機構、(2)真空中での光ファイバーによるレーザー光の取り回しとその反射・集光の部品の選定、光学系の設計と最適化、に苦労した。問題点を一つずつ解決し、最新バージョンでは、毎日の実験を約4ヵ月繰り返してもトラブルの発生しないゴニオメターが完成した。ルーチンの実験では、やはり100W以下のレーザーパワーで1000℃の加熱が可能である。高温でのRHEEDやイオン散乱分光のアジマススキャンも可能であることを確認し、目標仕様を満たす装置としては市販が可能なレベルで完成した。このゴニオ上の基板に、その場で酸化物エピタキシーが可能であること、その薄膜を複合化したSTMを用いて表面の原子レベル解析が可能であることも確認した。
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