配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1998年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
|
研究概要 |
エステル基を活性化基とする芳香族求核置換(S_NAr)反応および共役付加反応を利用して多置換芳香族化合物を位置選択的に合成する方法を検討した。1.2-メトキシ安息香酸エステルへのGrignard試薬のS_NAr反応は,3-位にメトキシ基またはハロゲンを導入することにより著しく促進された。これらの置換基効果は,メトキシ基の場合にはキレート効果,ハロゲンの場合にはキレート効果と共に電子吸引性に基づいていることが示された。2.2,6-ジメトキシ安息香酸エステルへのGrignard試薬のS_NAr反応を試薬の等量を制御して二段階で行い,2,6-位に異なる置換基を有する安息香酸エステルを合成した。これを鍵中間体として,1,8-置換フルオレノール,7-置換-2,2-ジメチル-1-インダノールを合成し,不斉助剤としての評価を行った。3.二点反応性の基質またはGrignard試薬を用いるS_NAr反応により新規なターナフタレン類を合成した。4.3-ブロモ-2,6-ジメチル安息香酸エステルの2-位選択的アリル化を鍵反応として,Michellamineの合成鍵中間体である5-ブロモ-8-メトキシ-3-メチルナフタレン-1-オールを合成した。5.S_NAr反応および共役付加反応を利用して,3-ブロモ-2,6-ジメチル安息香酸エステルの2,4,6-位へ3つの異なる置換基を段階的に導入することにより,Larreantinのモデル化合物を合成した。6.S_NAr反応により合成されたビフェニル-2-カルボン酸エステルを鍵中間体として,ラセミ体Blestriarene Cを合成した。7.スルフィニル,およびスルホニルカリックス[4]アレーンのテトラメチルエーテル体へのベンジルリチウムアミドのS_NAr反応により,4つのアニリンを構成単位とするカリックスアレーン類を初めて合成した。
|