研究課題/領域番号 |
10555326
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
明石 満 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20145460)
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研究分担者 |
泉川 洋 三菱化学(株), 横浜総合研究所・機能科学研究所, 副主任研究員
芹澤 武 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (30284904)
佐藤 真一 三菱化学株式会社, 研究開発本部・技術開発センター, 主席研究員
岸田 晶夫 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 部長 (60224929)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1998年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | N-ビニルアシルアミド系モノマー / N-ビニルイソブチルアミド / 熱刺激応答性高分子 / N-イソプロピルアクリルアミド / LCST挙動 / コア-コロナ型高分子ナノスフェア / 多孔性ヒドロゲル / 無機-有機ハイブリッド / N-ビニルアシルアミド / 下限臨界溶解温度(LCST) / ビニルアミン / 刺激応答性 / 金属保護触媒 / 刺激応答性高分子 / ラジカル重合 / 水溶性高分子 / 金属コロイド / 触媒活性 / 2相分離 / ヒドロゲル / 感熱応答性 / グラフト / 白金コロイド触媒 / 高分子ナノスフェア |
研究概要 |
N-ビニルアシルアミド系モノマーを中心に、その合成および重合・共重合を検討し、熱刺激に応答して高度な機能を発現する新規な高分子の開発を行った。lO年度に、N-ビニルイソブチルアミド(NVIBA)等のモノマー合成について確立し、次に、これらのビニルモノマーをラジカル重合・共重合させ水溶性高分子を合成した。また、架橋剤を加えた系ではヒドロゲルを得た。これらの感熱応答性を調べる基礎研究を行った。11年度は機能発現(感熱応答性)を、既存の熱刺激応答性高分子N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)ポリマーと比較しながら調べた。例えば、白金、銀等の金属コロイドが水溶性高分子により安定化されることに着目し、NVIBAおよびN-ビニルアミドポリマーを用いた。さらに、NIPAAmポリマーをコア、ポリスチレンをコアとする高分子超微粒子へ金属コロイドを担持させ、その触媒活性を調べた。アリルアルコールの水素化反応において、感熱応答性高分子の曇点以上では見かけの触媒活性が著しく低くなり、反応の暴走を押さえるシステムを構築でき、工業化学的に重要な知見が得られた。また、基礎研究であるが、NIPAAmポリマーとNVIBAポリマーのLCST挙動の相違を高圧下調べた。別途、水溶性高分子を用いる2相分離系へも熱刺激応答性高分子が応用できることを明らかとした。12年度には、市販されているモノマーである、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミドと酢酸ビニル共重合体が明瞭なLCSTを示すことを見いだした。感熱応答性高分子が工業的にも供給できることを明らかとした。12年度および13年度には応用展開を幅広く行った。DDS分野へ応用を目的にシリカゲル(無機)-感熱応答性高分子(有機)ハイブリッド研究を行った。さらに研究を派生させて、感熱応答性高分子ゲル合成時にシリカ微粒子を混入させ、HF水溶液によりシリカを溶解させ多孔性ヒドロゲルとすることにより感熱応答性を800倍加速することに成功した。本研究で得られた知見は単に新規感熱応答性高分子を開発したにとどまらず、工業的に意味ある新しいシステム開発を行ったと結論する。
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