配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
2000年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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研究概要 |
船体構造のような大規模な構造に対して有限要素解析を行う場合,全体構造を詳細形状まで表現したモデルで解析を行うことは非現実的であるため,一般的にグローバルな解析結果をもとに適当な境界条件を与えて詳細解析を行うズーミング解析と呼ばれる方法が用いられる。しかし,現実には,グローバルな挙動とローカルな挙動は互いに影響を及ぼしあうものであり,より正確な解析にはグローバルな解析とローカルな解析を連動させることが望ましい。そこで,本研究では,船体構造の解析におけるズーミング法の精度の改善のため,グローバルなメッシュとローカルなメッシュを重ね合わせ,グローバルな解析とローカルな解析を同時に行う重合メッシュ法を,2次元弾性問題,板曲げ問題に適用し,ズーミング法に比べ良い解が得られることを示した。また,グローバルな解析とローカルな解析を反復的に行うことによって重合メッシュ法を汎用有限要素コードを用いて行うことができることを示し,船体構造解析に適用した。船体構造解析の解析例は,21万トンのバルクキャリアーとし,汎用コードとしてMSC/NASTRANを使用した。本例題により,船体構造解析における重合メッシュ法の有効性が確かめられ,船体構造の設計者が通常用いている汎用コードを用いて,従来のズーミング解析法よりも精度の良い重合メッシュ法を容易に利用できることを示した。また,詳細解析を行う部分の剛性が部分的に異なる場合,グローバル領域は一様の剛性とし,ローカル領域の剛性のみを変化させれば良いということを数学的に証明した。この事実を応用すれば,全体モデルを線形解析で行い,ローカル領域のみに弾塑性等の非線形性を考慮すればよいため,非常に合理的な解析が行える。また,従来のズーミング解析では,このような非線形解析は不可能であったため,本開発手法の今後の発展が期待される。
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