研究課題/領域番号 |
10556010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
道家 紀志 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80023472)
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研究分担者 |
吉岡 博文 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (30240245)
川北 一人 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (90186065)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
2000年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 植物免疫誘導 / 局部的オキシダティブバースト / 全身的オキシダティブバースト / 全身獲得抵抗性 / 免疫植物免疫誘導剤簡易検定法 / 防御応答関連遺伝子 / 全身的シグナル伝達 / 病害防除 / サリチル酸 / 全身免疫誘導因子 / カルシウムインフラックス / 防御応答遺伝子 / 免疫誘導剤 / 全身的シグナル機構 / 免疫誘導剤簡易検定法 / 防御関連遺伝子の発現 |
研究概要 |
植物には、感染や異物に応答し、その場のみならず、全身に情報が伝達され全身的獲得抵抗性誘導(SAR)がかかり、耐病性(植物免疫)が得られる。感染・異物の認識過程で発生する急速な活性酸素生成(オキシダティブバースト:OXB)が離れた組織にもOXBを発生させる現象(全身的おXB)の発見と、これがSARの誘導契機となることから、この原理と特質を調査し、植物免疫誘導因子の検索方法を確立し、それを植物免疫誘導による病害防除へ応用することを目指し、次の成果を得た。1.植物のSARを誘導することで知られている菌体エリシターと数種の既知誘導剤の処理が、全身的OXBを誘導することを明らかにし、その応答が全身的獲得抵抗性につながることを示した。2.全身的OXBを誘導シグナルの発信には、OXB応答能をもつ活性化組織細胞への刺激とそれを持たない組織細胞を刺激する2種あることをみいだし、エリシターや過酸化水素は前者を、サリチル酸や既知誘導剤が後者の組織を刺激することを明らかにした。3.全身シグナルの伝達過程には、OXB応答能を持たない組織細胞でカルシウムインフラクスの連鎖反応や表面pHの上昇変動が起こることが判明した。4.局部および全身的OXBの発生する場で固有に誘導される代謝酵素の遺伝子を探索し、それぞれ性質を解析し、マーカとしての可能性を調べた。5.これら原理を調べるために開発した組織を用いて、全身的OXB誘導活性をもつ因子の簡便な検索システムをマニュアル化した。6.このマニュアルを用いて既知誘導化合物とともに16科26種の植物組織からの水溶性および脂溶性画分を検定した結果、数種の科の抽出画分に、既知誘導剤と同様かそれ以上に活性があることを確認し、同時に疫病に対する獲得抵抗性を誘導する活性を確認した。7.以上総合して、植物の生体成分の全身的免疫の信号発信に機能する成分の応用により、植物免疫を誘導し、耐病性強化が図れる可能性を示した。
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