研究課題/領域番号 |
10556015
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
太田 明徳 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30125885)
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研究分担者 |
寺沢 真人 三菱化学株式会社, 筑波研究所, 主任研究員
湯川 英明 地球環境産業技術研究機構, 微生物分子機能研究室, 主席研究員
堀内 裕之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00209280)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
1999年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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キーワード | endoplasmic reticulum / yeast / Candida maltosa / cytochrome P450Alk / Yarrowia lipolytica / dicarboxylic acid / cytochrome P450 reductase / heterologous expression |
研究概要 |
本研究計画では、申請者らの単離した炭化水素鎖を酸化する酵母の多様なチトクロームP450の遺伝子を必要に応じてその還元酵素とともに、異種酵母あるいは細胞壁の安定なコリネ型細菌に導入し、長鎖ジカルボン酸(DCA)を含む末端酸化炭化水素鎖化合物の新しい生産系を確立することを目的とした。 Saccharomyces cerevisiae YPH500株をはじめとする標準的酵母宿主に、GAL1遺伝子あるいはADH1のプロモーターの下流にCandida maltosaの各種チトクロームP450ALK(以下P450ALK)をコードするALK遺伝子を繋いだYEpプラスミド(pYPR-ALK1他)を導入した。これは既に、ALK1、ALK2、ALK3、ALK5、ALK7、ALK8について完成した。この結果、それぞれの遺伝子産物の気質特異性が明らかになり、Alk1pはn-alkaneにのみ作用し、Alk3pはn-alkaneと脂肪酸の両方に、しかしよりn-alkaneをよく酸化し、Alk5pはn-alkaneと脂肪酸両方でもより脂肪酸に、Alk7pとAlk8pはn-alkaneはほとんど酸化せず、専ら脂肪酸のω酸化を行うことが明らかになった。従って、それぞれの基質特異性を利用すれば、DCAの生産が効率よく行われるものと考えられた。一方,Yarrowia lipolyticaの8種のチトクロームP450ALKについて遺伝子ヌクレオチド配列から構造を推定したところ、それらは新たなCYP52サブファミリーをなす事が明らかとなった。うち、Alk1pがn-decaneの酸化に最も重要であった。Alk2pはヘキサデカンの酸化にある程度働くことも明らかになった。 残念ながら、新たなDCA生産菌の構築は達成困難であったが、各種P450ALKにつき、利用できる可能性を示すことができ、ある程度の成果を得ることができた。
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