配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
研究概要 |
マツノマダラカミキリはマツの樹皮下に卵を産み,産卵管からゼリー状物質を分泌して産卵痕内に置く。雌は疑似産卵痕を利用して産卵するが,ゼリー状物質を置くと産卵抑制が起こる。雌は長い受精嚢腺を持つ。無色〜淡黄色の透明な液体が生きた雌の受精嚢腺を満たしているが,死亡すると,弾力のあるゼリー状で,琥珀色の透明な物質になる。この物質はゼリー状物質に酷似する。受精嚢腺のメタノール抽出物は有意に産卵を抑制した。受精嚢腺内の物質は,それに続く交尾嚢内にも存在していた。これらのことから,受精嚢腺が産卵規制物質の分泌器官であると判断された。受精嚢腺のメタノール抽出液をメタノール不溶画分,アセトン不溶画分,アセトン可溶画分に分けたところ,メタノール不溶画分が最も強い産卵抑制効果を示したが,他の画分には効果がなかった。メタノール不溶画分をさらにタンパク質を含むメタノール不溶画分とタンパク質を除去したメタノール可溶画分に分けた。2画分は産卵抑制効果を示さなかった。そこで,2画分を混合したが,効果は失われていた。幼虫の新鮮フラスのメタノール抽出物は産卵抑制効果を示した。メタノール抽出物をベンゼン,クロロホルム,アセトン,メタノールで順次溶解した。そのうち,ベンゼン可溶画分が産卵抑制効果を示したので,カラムを用いて6画分に分けたところ,ヘキサン可溶画分が産卵抑制効果を示んた。カラムを用いてヘキサン可溶画分を5画分に分けた。このうち,ベンゼン画分とメタノール画分に産卵抑制効果が認められた。それらをシリカゲルのTLCを用いて展開したところ,それぞれ7と3のスポットが見られた。このうち,ベンゼン画分の1スポットだけに産卵抑制効果が認められた。GCとGC-MSによってアセトフェノンなど6物質を同定した。これまでの所,アセトフェノンが最も高い産卵抑制効果を示したが,統計的には有意ではなかった。
|