研究分担者 |
寺本 行芳 鹿児島大学, 農学部, 助手 (10301392)
井倉 洋二 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (60203270)
地頭薗 隆 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (50145455)
小林 哲夫 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (70112430)
北村 良介 鹿児島大学, 工学部, 教授 (70111979)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,深層崩壊発生を支配している要因を分析し,その発生場の予測手法を開発することである。そのために,出水市の矢筈岳周辺域を対象にして,深層崩壊発生場の地質的・地形的特徴,地下水の集排水過程,降雨に対する地下水位の応答などについて調査した。得られた成果は以下のように要約される。 1.矢筈岳山体流域に設置した水文観測施設において,河川流量,雨量,水温,電気伝導度を連続的に測定した。同一山体に位置する流域でありながら地形開析の度合,緩傾斜面の分布等によって流出や電気伝導度の特性に違いがあることが明らかになった。 2.矢筈岳周辺の17流域において,低水時の基底流量,水温,電気伝導度を測定した。それらの値は流域によってさまざまであった。地形開析が進んで緩斜面が少ない流域は河川の減水が著しいが,広い緩斜面が分布する流域は減水が小さい。また減水の小さい流域は電気伝導度が高いことが明らかになった。 3.針原崩壊地からの湧水の流量や電気伝導度を測定した。地下水の流出が降雨のピークから数時間後にピークに達している。この結果は1997年7月の針原崩壊発生と調和的である。深層崩壊地点の地下水の排水特性がある程度解明された。 4.針原川,江良川などの河川において,標高ごとに流量,水温,電気伝導度を測定した。その結果,ある標高で流量が急激に増加し,また電気伝導度も大きく変化した。この傾向は低水時ほど鮮明に現れた。変化地点は深層崩壊跡地と一致しており,低水時の流量や電気伝導度が深層崩壊発生場を予測するための指標として有効であることが判明した。
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