配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1998年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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研究概要 |
地下ダムは水資源開発の一手法であり,特に,離島・半島や乾燥地域で有効である.わが国では,沖縄県・鹿児島県の南西諸島でいくつかの地下ダムが建設中である.本研究では,地下ダムの設計・施工・運用管理において未解明であり,特に重要になっている次の4項目について検討を加えた. (1)多孔体中の流況変化に伴う揚水量減少機構の解明:多孔体中の流速と圧力分布を明らかにするためにSIMPLE(Semi-Implicit Method for Pressure-Linked Equation)法を用いて礫周辺の粘性流動を解析した.計算結果より,動水勾配と浸透流速の関係は2次式(Forchheimer'Law)で表されることが明らかになった.Forchheimer's lawを用いて揚水井周辺の地下水をシミュレートする手法を提示した.これにより高速浸透流場での用水量減少機構が説明できるようになった. (2)異常降雨に伴う地下水位上昇の定量的表示とその対策:三次元飽和-不飽和浸透流のFEMモデルを解発した.異常降雨に伴う地下水上昇と地下ダム提体の三次元越流特性が明らかになった. (3)電気探査法による塩水浸入:地下ダムサイトへの塩水浸入を明らかにするために,高知県春野町で電気探査を行い,鉛直方向の比抵抗分布を明らかにした.海岸付近の深部に低比抵抗値の層が認められ,それが塩水層であることが明らかになった.塩水層の平面分布を通常のWenner法と数値解析とSP法を用いた新しい方法で求めた.ここで提案した方法の妥当性が認められた. (4)十分なデータが得られない条件下での不浸透性基盤と地下水位の最適推定法:地下ダムの設計と運用管理では,十分でないデータのもとに不浸透性基盤と地下水位の推定が必要になる.ここでは,Cokriging推定法を開発し,この問題に対処した.不浸透性基盤との相互相関性が補助的に活用できるCokriging法の妥当性が証明された.
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