研究分担者 |
寺岡 徹 東京農工大学, 農学部, 教授 (60163903)
坂上 寛一 東京農工大学, 農学部, 教授 (10014961)
塩谷 哲夫 東京農工大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60226107)
本林 隆 東京農工大学, 農学部, 助手 (20262230)
島田 順 東京農工大学, 農学部, 助教授 (00015124)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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研究概要 |
我々の食料の生産・消費に関連して副次的に排出される有機廃棄物を、農地で資源として効率的に利用するための技術を確立することを目的として,畑地および水田の土壌条件で以下の試験を実施した。 まず,畑土壌では有機質資材や肥料として施用された窒素が無機化されるとアンモニア態と硝酸態の両態で存在するが,2M塩化カリウムによる抽出液中の硝酸態窒素を簡便に測定する方法を確立した。 また,多種多様な有機質資材を原料と製造方法のちがいによって4グループに分け,それぞれの代表的な7種の資材を選定して窒素無機化パターンを比較検討した。その結果,厨芥等のいわゆる生ゴミを堆肥化した資材が化学肥料に匹敵する肥効を持つこと,オガクズやバーク(樹皮)のような木質系原料が混入すると無機化速度が著しく遅れ,見かけ上,作物に対する窒素供給が皆無になることなどが判明した。さらに,これらの有機質資材を用いてレタスを栽培した結果,土壌培養試験と同様の結果が得られた。 1.5haの畑圃場では有機廃棄物連用と耕起処理を組み合わせた長期栽培試験を継続し,コムギ,トウモロコシ,ダイズを4年間で延べ8作栽培した。有機物連用土壌中の可給態窒素が次第に増加すること,連用土壌の水浸透性が著しく高まること,それにともない,窒素の溶脱量が化学肥料連用区よりも多くなってしまうことなどが明らかになった。また,有機廃棄物連用と耕起処理が土壌生物相に及ぼす影響を調べた結果,有機物連用と不耕起を組み合わせた処理によって,とくに土壌線虫,ダニ類およびトビムシ類の種類が豊富になり,密度が増大することが認められた。 水田では3種有機廃棄物を窒素源として水稲栽培を行い,有機物から窒素無機化パターンを検討した。さらに,水稲栽培期間における有機質資材窒素の無機化予測を行い,不足分を硫安で補う栽培法を試み,どのような有機質資材でも安全に600kg/10a台の収量を達成できることを実証した。
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