研究課題/領域番号 |
10557017
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
喜多村 直実 (喜多村 直美) 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (80107424)
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研究分担者 |
伝田 公紀 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (50212064)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
1999年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1998年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | 肝細胞増殖因子(HGF) / 肝疾患 / HGF activator / HGF activator inhibitor / 肝障害 / 蛋白質プロセシング / トロンビン / HGFactivator / HGFactivator inhibitor / 血液凝固系 |
研究概要 |
肝細胞増殖因子(HGF)は、肝細胞に対する強力なマイトジェンであり、現在肝炎、肝硬変などの肝疾患に対する治療薬として開発が進められている。HGFは肝障害時にセリンプロテアーゼの1つであるHGF activator(HGFA)により活性化され肝再生因子として機能する。本研究ではHGFAの活性化および不活性化の機構について解析し以下の結果を得た。 1.肝障害時におけるHGFAの動態について、四塩化炭素により肝障害を惹起したラットの肝臓について解析したところ、HGFAのmRNA量が肝障害に伴って増加すること、またHGFAは通常は前駆体で血中を循環しているが、肝障害に伴ってHGFAが肝臓において活性化されることが明らかになった。さらにHGFAの活性化はトロンビンにより起こることがわかった。したがってHGFAは肝障害に伴って量が増加するとともに、血液凝固系と連動して活性化されHGFの活性制御に重要な役割を果たしていることが明らかになった。 2.HGFAの活性を阻害するインヒビターとして2種類のHGFA inhibitor(HAI)が同定されている。1型HAI(HAI-1)について抗体を作成し、イムノブロット法で細胞での動態を解析したところ、細胞膜に結合したHAI-1が同定され、また蛋白質プロセシングにより少なくとも3種類の分子型となり細胞外に分泌することが明らかになった。さらに細胞外に分泌してくるHAI-1のそれぞれの分子型について、HGFAの活性に対する阻害作用を調べたところ、それぞれの分子型で作用に大きな違いが見られた。また細胞をEDTAやTPAなどで処理することにより分泌してくる分子の分泌量が大きく変化することが観察された。したがって膜結合型HAI-1が分泌される過程は、HAI-1のHGFA活性の阻害作用の制御に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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