研究課題/領域番号 |
10557020
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
病態医化学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
森 正敬 熊本大学, 医学部, 教授 (40009650)
|
研究分担者 |
野々口 博史 熊本大学, 医学部, 講師 (30218341)
冨田 公夫 熊本大学, 医学部, 教授 (40114772)
後藤 知己 熊本大学, 医学部, 助手 (20264286)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2000年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1998年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
|
キーワード | アルギナーゼ / アポトーシス / 一酸化窒素 / マクロファージ / NO合成酵素 / アルギニン / 一酸化窒素合成酵素 / アルギニノコハク酸合成酵素 / アルギニノコハク酸リアーゼ |
研究概要 |
過剰の一酸化窒素(NO)はマクロファージなどの細胞にアポトーシスを誘導することが知られている。NOはNO合成酵素(NOS)の働きにより、アルギニンを基質として合成されるが、アルギニンはアルギナーゼの基質でもある。そのため、両者が同一の細胞に発現した場合は、基質を結合し、NO産生が抑制される可能性がある。アルギアーゼには肝型(I型)と、非肝型(II型)の二つのアイソフォームが存在する。我々はこれまでに、大腸菌リポポリサッカライド(LPS)刺激したラットの腹腔マクロファージにおいてI型アルギナーゼが、またマウスマクロファージ系RAW細胞ではII型アルギナーゼが誘導型NOS(iNOS)と共誘導されることを明らかにした。さらにLPSを腹腔内投与したラットの肺ではI型、腎臓ではII型アルギナーゼが誘導される。そこで今回RAW細胞を用いてアルギナーゼの誘導とNO産生およびアポトーシスとの関係を調べた。RAW細胞LPSとinterferon-γ(IFNγ)で刺激すると、iNOSが誘導され、大量のNOが産生され、細胞はアポトーシスを起こした。さらにデキサメサゾンとcAMPを加えたところ、iNOSに加えてII型アルギナーゼが誘導された。この時、NO産生は低下し、アポトーシスは抑制された。RAW細胞にI型あるいはII型アルギナーゼの発現プラスミドを導入して強制発現させた後LPSとIFNγで刺激すると、一定の割合(導入効率に相当する)の細胞がアポトーシスを起こさなかった。これらの結果より、RAW細胞においてiNOSとアルギナーゼとが共に発現すると、基質であるアルギニンの競合が起こり、NO産生が抑制され、アポトーシスが回避されることが明らかとなった。
|