研究課題/領域番号 |
10557022
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
名倉 宏 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90022821)
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研究分担者 |
上野川 修一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50011945)
石川 博通 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (20051667)
清野 宏 大阪大学, 微生物研究所, 教授 (10271032)
山川 光徳 山形大学, 医学部, 教授 (20183676)
宇理須 厚雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (20193972)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1998年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 粘膜免疫機構 / 食物アレルギー / 炎症性腸疾患 / 経口免疫 / 神経内分泌系 / 食物アレルギーモデルマウス / 上皮細胞間リンパ球 / 鶏卵アレルギー / 神経ペプチド / クリプトパッチ / 消化管アレルギー / 炎症性腸管障害 / 卵白アルブミン / ニューロペプチド / サイトカイン / 好中球 / CD4_+T細胞 / 消化管粘膜障害 / 炎症性粘膜障害 / 経口免疫寛容 / 粘膜ワクチン / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
消化管粘膜における生体防御機構の主役を担う粘膜免疫機構の基本的な構築とその制御機構、ならびにその発育・成熟過程がさらに明らかとなり、また炎症性、アレルギー性の消化管粘膜障害の病因病態解明に必要な実験動物モデルが確立され、その分野の研究が飛躍的に発展した。そうした研究成果をふまえ、当該疾患の予防と治療への重要な提言がなされた。 1)粘膜免疫機構の構造と機能の分化成熟とその破綻に基づく炎症性ならびにアレルギー性腸管障害の発生機序 (1)腸管上皮層には膨大な数の上皮細胞間T細胞(IEL)が分布し、γδ-IELが上皮細胞層の恒常性を統御する事実を明らかにするとともに、IEL前駆細胞が粘膜固有層の陰窩(crypt)に多数分布するc-kit+Lin-未分化リンパ球の小集積であることを確認した。 (2)内分泌関連物質が、消化管機能の内分泌的制御に関与しており、水分吸収や粘膜免疫といった消化管の重要な機能が11βHSD2やurocortin等の神経内分泌的制御を受けている可能性が示された。 (3)炎症性腸管病変である潰瘍性大腸炎、クローン病、腸管アレルギーとも活性化されたリンパ球やマクロファージ系細胞の著しい増多と好中球を中心とした顆粒球系細胞浸潤により、それぞれ特徴的な粘膜傷害が惹起されており、その機序の一端を解明した。 2)消化管アレルギー実験動物の確立と、それを用いたアレルギー発症機序の解明。 卵白アルブミン特異的T細胞抗原レセプターを発現するトランスジェニックマウスに卵白飼料を長期間摂取させることによりアレルギーを発症させ、その機序を明らかにした。 3)食物アレルギー発症の予防と対策 (1)2)の実験動物モデルを用い、ヌクレオチドの経口摂取や、アレルゲンペプチドのアミノ酸置換体の投与によりIgE応答や消化器症状が抑制されることを見出し、これらによるアレルギー抑制の可能性が示された。 (2)胃内のペプシンが食物抗原に対するIgE結合能を低下させ、またそのペプシン処理は食物アレルギー発症を抑制していることがわかった。またペプシン処理オボムコイドのIgE結合反応が卵白アレルギーの診断と予知に有効であった。
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