研究課題/領域番号 |
10557023
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 杏林大学 (2001) (財)冲中記念成人病研究所 (1998-2000) |
研究代表者 |
山田 明 (1999-2001) 杏林大学, 医学部, 教授 (70175660)
遠藤 雄三 (1998) 財団法人冲中記念成人病研究所, 主任研究員 (00124305)
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研究分担者 |
副島 昭典 杏林大学, 医学部, 助教授 (00206674)
二瓶 宏 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30124308)
原 茂子 沖中記念成人病研究所, 研究員
本田 一穂 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10256505)
山田 明 財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員
神林 宏 財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | IgA nephropathy / Etiology / Gram-negative bacteria / Acyl carrier protein / Mucosal immunity / IgA hephropathy / acyl carrier protein / mucosal immunity / 17kD cell wall protein |
研究概要 |
IgA腎症の原因抗原の候補として我々が提唱している消化管粘膜由来グラム陰性細菌の代表として大腸菌のacyl carrier protein(ACP)に対する複数の単クローン抗体(IgG型5種、IgA型12種)を樹立した。本年度はこれらの単クローン抗体をビオチン標識し、非標識の同単クローン抗体を固相化抗体としたサンドウィッチELISA法を開発した。おのおのの単クローン抗体により、ACPに対する相互の交叉性を検討し、ACP分子表面の抗原エピトープの性状を検索した。そして、異なるエピトープを認識する2種の抗体を用いたELISA法によるACP定量法の感度を検討した。更にこの定量法を応用してBALB/cマウスに一定量のACPを静注後の血中および尿中ACPの動態を経時的に観察した。これらの検討により、分子量8,860の大腸菌ACP上の抗体認識エピトープは主として5カ所あり、それらは相互に連続して存在することが明らかとなった。ACPの検量線は0.1〜100ng/mlの間で良好な直線性が得られ、ACPの高感度定量が可能となった。またマウスにおいてACP投与1分後にACP血中濃度は最大ピークに達し、10分後には90%が血中より急速に消失した。1時間後の尿中には投与したACPのほぼ全量が回収された。すなわち血液中にはACPの結合蛋白は存在しないものと考えられた。このACPアッセイ系では、通常の条件で飼育されているBALB/cマウスの血液中にはACPは感度以下であった。以上の結果より、ACPは抗原としての免疫原性は認めるものの生体内には留まり難く、免疫応答に充分な抗原暴露を呈さない可能性を認めた。このことはACPに対する抗体価が高値である多くのIgA腎症にとってACP抗原に対する過敏な免疫応答の機序が存在し、IgA腎症がいわゆるIgA型アレルギーである可能性を示唆すると考える。
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