研究課題/領域番号 |
10557054
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
金子 周一 金沢大学, 医学部, 助教授 (60185923)
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研究分担者 |
早坂 郁夫 三和化学研究所株式会社, 所長
荻野 英司 鐘淵化学工業株式会社, 研究職
小林 健一 金沢大学, 医学部, 教授 (70019933)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | チンパンジー / C型肝炎ウイルス / 血液浄化療法 |
研究概要 |
C型慢性肝炎の患者血清中に存在するC型肝炎ウイルス(HCV)は、血清中では抗体が結合して比重の重いHCV画分とfreeのウイルス粒子として存在する比重の軽い画分に分類できること、それらの存在様式とインターフェロンによる効果には関連があることを報告した。とりわけ抗体と結合して存在するウイルス画分が少ない症例が、抗ウイルス効果が高かった。このように血液中に存在するこのウイルス画分を除去することによって抗ウイルス効果が得られる可能性が得られ、今回の研究の有効性を示唆した結果であった。 また肝臓においてのHCVの存在様式を検討した。肝疾患が進行するに従い、HCVの変異も増加していること、また進行した肝疾患ではHCVの増殖が限られた範囲(compartment)で限られておきるようになることを報告した。肝臓には流血中のウイルスと異なる種類のウイルスが存在する可能性が示され、血液浄化療法を用いたウイルス除去を検討するうえで重要な知見が得られた。 こうして存在する抗体と結合しているウイルス画分をのぞくことを目的としてカラムによる血液委浄化療法の可能性を検討した。バッチ法、ミニカラム法にて基礎検討を行った。除去に必要な吸着体量や流量が検討され、またHCVと結合している抗体の吸着率に優れた吸着体を得た。 もっとも適した吸着剤を用いてC型肝炎ウイルス量の多い2匹のチンパンジーを用いて、三和化学(株)のチンパンジー飼育施設において血液浄化療法を行った。2匹とも循環・呼吸動態や腎機能に変動なく、血液生化学の変化も一過性であり安全に血液浄化療法を行うことができた。また術後も感染症等の副作用の発現はみられなかった。抗凝固療剤を大量に用いたため、カテーテル刺入部における止血が問題となった。血液および肝におけるC型肝炎ウイルスおよびその複合体の変動に関して解析した。
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