研究課題/領域番号 |
10557064
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 (1999-2000) (財)東京都神経科学総合研究所 (1998) |
研究代表者 |
内原 俊記 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (10223570)
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研究分担者 |
横田 隆徳 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (90231688)
井上 圭三 東京大学, 薬学部, 教授 (30072937)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | ビタミンE転移蛋白 / ビタミンE欠乏 / ノックアウトマウス / 遺伝性矢調症 / プルキンエ細胞 |
研究概要 |
α-tocopherol transfer protein(α-TTP)遺伝子の点変異を有する家系より得られた世界初の剖検例の形態的所見と生化学的所見を解析した。二次性ビタミンE欠乏症にみられるように網膜変性とspheroidの出現を伴う脊髄後索dying-back typeの変性に加え軽度の小脳皮質の変性を認め、臨床症状と対応していた。α-TTP遺伝子knock out miceでは上記の脊髄病変に加え、脊髄前角細胞のリポフスチンの沈着と変性が目立った。これらの病変はビタミンE欠乏状態で増悪、過剰投与で軽減したため、α-TTP遺伝子knock outの影響の少なくとも一部は生体内でビタミンE欠乏状態を介して発揮されていると考えられる。長期にわたりビタミンE投与を受けた上記剖検例で測定したビタミンE組織内濃度は小脳以外では正常化していた。小脳には他の部位と異なるビタミンEの代謝経路があり、α-TTPの点変異がそれに影響を及ぼして小脳病変を来した可能性があるが、Knock out miceでは類似の病変はみられず、今後その病態についてはさらに検討を要する。その他の遺伝性小脳失調症についても、核内封入体の形成機序とそれに関与する蛋白についての研究を進めた。特にSCA2,SCA3の原因蛋白であるataxin-2,ataxin-3の局在を剖検脳で検討し、これらrepeat病のみでなくNeuronal Intranuclear hyaline inclusion disease(NIHID)の封入体形成にも関与していることを見いだした。この過程で分子の共存を組織標本上で観察する、蛍光二重染色法を改良し、二種のシグナルの両者を増幅する手法を世界で初めて開発した。今後ビタミンE関連疾患ばかりでなく、組織学的に広く応用可能な方法と考えられる。
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